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【業界トピックス】実質0円廃止に「改善なのかは色々な議論がところ」、ソフトバンクグループ決算発表

実質0円廃止に「改善なのかは色々な議論がところ」、ソフトバンクグループ決算発表

 ソフトバンクグループは2015年度第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比8%増となる6兆8,102億円、営業利益は同18%増となる8,753億で増収増益を達成している。純利益は4,296億円と同26%減になっているが、これはアリババが上場した際の一時益によるもので、それを除くと38%増の成長をみせている。

 都内で開催された決算説明会にはソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏が登壇。懸念とされている米Sprintの状況や、総務省の要請により変化しつつある国内携帯電話市場について回答した。

■国内通信事業

 国内の通信事業に関しては売上高は同2.9%増の2兆3419億円、営業利益は同8%増の5,983億円で、ARPUは4,720円で通信ARPUが減少したもののサービスARPUは増加している。一方で解約率は前期よりも0.13ポイント上昇してしまっている。その解決策の1つが電気料金や固定回線とのセット割引である「おうち割」であり、解約率の改善に期待しているという。また「ソフトバンク光」の契約数は122万件に達したが、このうちの15~20%がSoftBank Airの契約者となっている。

 孫氏は国内通信事業について「設備投資のピークは終わり、現金の収穫期に入った」と述べた。ここ数年間でネットワーク改善のための設備投資を続けてきたが、最も予算がかかる鉄塔建設が終了したことでピークは過ぎ、そのネットワークも国内ナンバーワンのものになったとアピール。フリーキャッシュフローも2014年度は36億円だったものが2015年度には2,394億円へと大幅に増加しており、今後も増大していく見通しだという。

 総務省の要請により端末の「実質0円」販売が終了したことについて、孫氏は自身が始めた仕組みであることにも触れ「頭金で5万や10万を端末代として支払うのは若い人には負担だろうということで、よかれと思って導入したサービスだった」と述べ、「iPhoneが世界で一番安く手に入る日本。いいんじゃないかという気がする」としつつも、「それをけしからんという人がいるので変えましょうと。しかし果たしてこれが改善なのか、改悪なのかは色々な議論がところだと思う」と総務省の方針には従う一方で、疑問も抱いている様子であった。
 また「実質0円」終了の影響については「0円で提供するというのは経営の負担のほうが大きい、それが減るというのは悪く無い」とし、「エントリーユーザにはそれ向けの価格、ヘビーユーザーにはパケットプレゼントするなど、端末の価格が上がった分は通信料金を安くしてユーザーに還元する。総務省が意図した方向に改善されてきているのでは」と語った。

■Sprint

 前期の決算会見でも孫氏は「改善の兆し」が見えたとアピールした米Sprintだが、総売上高は81億ドルと直近3四半期で安定化し、EBITDAは前期比41%増の60億ドル、営業利益も3億ドルと改善傾向を見せており、業績は「底を打った」と反転への自信をより深めた様子を見せた。

 反転への戦略として孫氏は「純増の改善」「OPEX削減」「多様な調達手段」「ネットワーク改善」の4点を挙げる。
 まず「純増の改善」については、ネットワークの改善により解約率が低下し、MNPも4四半期連続で純増を達成。優良顧客であるポストペイドユーザーを増やし、10~12月で過去最高となる純増数50.1万に達している。
 2点目の「OPEX削減」では、孫氏は「私の目から見ると、Sprintはじゃぶじゃぶと無駄な経費を使っていた」と述べ、既に8億ドルの削減を果たしているものの、更に750項目の経費削減プログラムを実施することで年間20億ドルのコスト削減を掲げて取り組んでいるという。
 3点目の「多様な調達手段」においては、市場は社債の返済期限が来年末に始まることを心配していると指摘し、既に支払いのための財源として手元流動性を確保し、多用な手段で返済の財源を十分に用意していると述べた。
 最後にネットワークについて、チーフネットワークオフィサーとして自ら設計してその運用の総責任者を務めている程、力を入れて改善に取り組んでいるという。取り組み始めてからようやく改善の進捗があり、ニールセンの速度調査で米4キャリアの中で実効速度が最速という調査結果も出たと紹介。「間違いなくSprintのネットワークはアメリカでダントツの1位になる」として更なる自信を見せた。

 孫氏はSprintについて「去年の今頃は正直に売っぱらいたいと思った。しかし買ってくれる人がおらず、仕方が無いので自分で改善するしかない。背水の陣で取組み、解決改善の糸口が見えてきた」と振り返り、「私の誇りにかけて、これまでの日本テレコムやVodafoneなど自身が直接手がけてきた事業と同じようにSprintを必ず反転させてみせる。その自信を深めた」と繰り返しSprint事業の反転をアピールした。

 その他のソフトバンクグループの事業について、ヤフージャパンはディスプレイ広告が成長し、eコマースの取扱高が伸びることで事業は堅調に拡大。中国のAlibabaやインドのSnapdeal、OLA、インドネシアのTokopedia等の海外の事業も順調に拡大していることが示された。

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