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2014年度 ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向調査

■ 2013年度末の光回線は2,537万件、純増数は152万件に留まり成長鈍化傾向
■ NTTグループの光回線シェアは東日本エリアで77%、西日本エリアでは65%
■ 光回線の顧客満足度1位は東日本エリアがKDDI、西日本エリアはケイ・オプティコム
■ 2013年度の光回線サービス純増数はNTT東が44万件でKDDIの37万件を上回る

2013年度末の光回線は2,537万件、2014年度末に2,680万件に増加の見通し

 株式会社ICT総研 (東京都千代田区)は7月4日、2014年度ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向に関する調査結果をまとめた。
 ブロードバンドサービスの総契約件数は、2014年3月末時点で4,335万件。全国世帯数比の普及率は77.5%となった。光回線サービスなどの固定系回線の普及は伸び悩んでいるが、WiMAXなどの無線アクセス回線の増加により世帯普及は進んでいる。
 4,335万件のブロードバンドサービスのうち、光回線は2,537万件で59%を占める。2013年度の1年間における光回線純増数は152万件となり、純増数はほぼ前年並みにとどまった。また、ADSL回線は減少傾向が続いており、447万件でブロードバンドサービス全体の10%以下に落ち込んでいる。
CATVインターネットは605万件とほぼ横ばいを維持している。WiMAXなどのブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)は745万件でさらに増加を続けている。
 2014年度末(2015年3月末)には、ブロードバンドサービス全体で4,592万件となる見通しで、そのうち光回線は2,680万件になると予測する。

NTTグループの光回線シェアは東日本エリアで77%、西日本エリアでは65%

 光回線の事業者別回線数について、東西エリア別に分類すると、東日本エリアではNTT東日本が1,330万件のうち1,019万件でシェア77%と依然高いシェアを占めている。KDDIのauひかりは東日本エリアで221万件、17%を獲得しており、この2社だけで9割以上を占める。KDDIは4年前(2010年3月末)のシェア11%から17%へと6%も伸ばしており、東日本エリアでの急増が目立つ。
 これに対して西日本エリアでは、NTT西日本のシェアは786万件、65%に留まる。2位のケイオプティコムが148万件で12%、KDDIが102万件で9%、ケイオプティコム以外の電力系事業者も7%のシェアを獲得するなど、東に比べて激しい競争が展開されている。またエリア別に見た場合、大都市部では光回線サービスのシェア争いが激しいのに比べ、東北・北陸・中国などの地方では依然NTTのフレッツ光が高いシェアを占める傾向にある。
 全国ベースでの光回線加入者数はNTT東とNTT西の合計数が1,805万件(シェア71%)、KDDIが324万件(13%)、ケイオプティコムが148万件(6%)であり、上位4社で9割を占めている。
NTT東西は、3年前の2011年3月には75%のシェアを保っていたが、この3年間で約4ポイントほどシェアを落とした。

光回線の顧客満足度1位は東日本エリアがKDDI、西日本エリアはケイ・オプティコム

 ICT総研が2014年4月に実施したアンケート調査において、光回線サービスの利用者による顧客満足度を分析したところ、東日本エリアのユーザーで最も満足度の高かったサービスはKDDIのauひかりとなった。「サービス品質」「料金」「サポート」の3つの項目を平均化した総合満足度で、auひかりが64.4ポイントで1位、NTTのフレッツ光が62.1ポイントで2位、ソフトバンクBBのYahoo!BB光が58.7ポイントでで3位という結果となった。KDDIのauひかりは、サービス品質や料金に対する満足度が他社と比べて高いことが1位獲得の主な要因となっている。
 西日本エリアでは、ケイ・オプティコムのeo光の顧客満足度が67.4ポイントで1位となった。eo光はサービス品質、料金、サポートのいずれの項目でも最も満足度が高く、他社を引き離している。顧客満足度2位は64.4ポイントでauひかり、3位は僅差の64.1ポイントでフレッツ光となった。西日本エリアは東日本に比べて事業者間のシェア競争が激しいため、サービスや料金面での評価が全体的に高い傾向が見られる。また、NTT西日本の割り引きサービスが評価され、料金面の満足度が前年と比べて向上している傾向が見られる。

2013年度の光回線サービス純増数はNTT東が44万件でKDDIの37万件を上回る

 光回線サービスの累計加入者数はNTT東西が依然高いシェアを占めているが、年間の純増数で分析すると2012年度以降からはKDDIの急増で、NTTの純増が伸び悩むという傾向が見られた。NTT東日本は、2010年度には98万件の年間純増数だったが、その後84万件、40万件と純増のペースが減少し、2012年度にはKDDIの純増数がNTT東日本を逆転していた。
しかし2013年度は、NTT東日本が44万件増と巻き返しを見せ、純増数トップの座をKDDIから奪い返している。これは、「思いっきり割」などの新規加入者向け販売施策が奏功したもので、新規加入者への価格訴求が増加の最大の要因と言える。
KDDIのスマートフォンとのセット割引「auスマートバリュー」も引き続き新規獲得に貢献しているが、他社の割引サービスの影響もあり、前年ほどの勢いは感じられない。
 また、WiMAXやワイヤレスシティプランニングなどの無線ブロードバンドアクセスや、携帯電話のLTEサービス利用者が増えたことで光回線サービスの需要自体が頭打ちとなっており、今後はこれまでのように加入者が増えることは期待できない。携帯電話会社が提供するLTEサービスは既に4,600万件を突破し急速に普及している。LTEサービスの高度化・高速化もさらに進み、150Mbpsの高速LTEサービス導入で光回線との機能差が縮小してきたため、固定回線をモバイルに置き換えるユーザーも増え始めている。
 純増数が頭打ちとなった光回線市場ではあるが、NTT東西が今秋にも提供すると発表した光回線の卸売販売「光コラボレーションモデル」が実際にサービス提供されることになれば、多くのISP、MVNO、異業種事業者がFTTHサービスやモバイルサービスとのセット販売に乗り出すことが確実なため、再び純増数が増加に転じる可能性もありそうだ。

【本資料の調査結果・推計データについて】
*この調査は、電気通信事業者、関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー12,000人へのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。
*世帯普及率は総務省発表による2014年1月時点の世帯数(5,595万2,365世帯)を基準に算出した。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。