アリババグループとBMW、IoTで提携「コーラを買う感覚で車を自動販売機で購入」
BMWとAlibabaは2018年の上半期から中国で販売されたすべての新型BMWモデルについて、「車と家庭のためのデジタル・エクスペリエンス」を開発するためにチームを組んだと発表した。この協力によって、中国におけるBMW車のオーナーはスマートスピーカーを使ってガソリンの残量から判断してどれだけ走れるかや、ドアや窓が開いているか閉じているかなど、車に関する情報に遠隔からアクセスできるようになる。
BMWはAlibaba CloudのIoTビジネスユニットと協力して、同社の車載用インフォテイメントシステムを中国の消費者に向けて導入していく。
「BMWグループは、新しい戦略の中心的な柱の1つとして、伝統的な高級自動車メーカー・サービスプロバイダーからテクノロジーカンパニーへのシフトを目指すべく、自動運転、デジタル接続、モビリティサービス、EVなどに取り組んでいます」と、副社長のJoseph Zheng氏は語っている。
「中国はイノベーションの発信源であり、グローバル戦略を実現するための重要な土台です。私たちは引き続きカスタマーファーストを推進し、BMW Connectedを通じてカスタマイズされた重層的なコネクテッドサービスをお客様に提供していきます」とZheng氏は説明した。
Alibabaは、自動車メーカーがスマートスピーカーを、BMWのクラウドベースのインフォテインメントプラットフォームおよびAlibaba Cloudによって開発された音声認識・処理技術と統合するのをサポートするという。
Alibaba CloudのIoT部門におけるチーフ・サイエンティストであるSean Ding氏は次のように語っている。「私たちは、IoTと人工知能技術を使って未来を創造しています。BMWとの新しいコラボレーションにより、人々、車、家がシームレスにつながる新しい体験をユーザーに提供したいと考えています」
Ding氏は、今回の協力によって、車を遠隔操作できるようになったり、冬の朝に車のオーナーが目を覚ますとすぐに車のヒーターを簡単につけられるようになったり、社内から冷蔵庫や洗濯機を操作したりといった未来がぐっと近づくのではないかと期待をにじませている。
「人々は平均して1日10時間を自宅で過ごしています。米国では、人々は1日に平均1時間の車を費やしています。中国の場合は、交通事情のためにもっと長い間車に乗っています。テクノロジーを通じて人々の生活を変え、ライフスタイルを向上させるにはどうすればいいのか。その答えは、生活空間と輸送を変えることにあるのです」 とDing氏は続ける。
Alibabaは、今月初めフォード・モーターとの提携も発表している。同社は、人工知能、クラウド・コンピューティング、IoT、AlibabaのBtoCのECであるTmallを活用して、自動車に関するユーザーエクスペリエンスを再定義したいと明らかにしている。
また、AlibabaのTmallは来月自動車の自動販売機を開設する予定。中国の消費者は既にスマートフォンで車を買うことができるが、新しく導入される「自動販売機モデル」では、まるで缶ジュースを買うかのように簡単に、スマホで新しい乗り物を探して買う前に車を試乗し、購入するというプロセスを5分で完了させることができるという。