ソフトバンクが新プラン、動画やSNSが使い放題「ウルトラギガモンスター+」発表
ソフトバンクは、スマートフォン向けの新しい料金プランとして、対象の動画サービスやSNSが使い放題となる「ウルトラギガモンスター+(プラス)」の申込受付を9月6日に開始すると発表した。また、毎月のデータ使用量に応じて4段階の定額料が自動的に適用される料金プラン「ミニモンスター」も同日より申込受付を開始する。
あわせて、「ウルトラギガモンスター+」のデータ容量を消費することなく、全てのデータ通信が使い放題となるキャンペーン「ギガ使い放題キャンペーン」を2019年4月7日まで実施する。
「ウルトラギガモンスター+」は、毎月50GBまで利用できるデータ容量に加えて、対象の動画サービスやSNSが“ギガノーカウント”として使い放題となる料金サービス。基本プランを含めて月額3,480円から利用できる。
ギガノーカウントの対象サービスは、YouTube、AbemaTV、TVer、GYAO!、Hulu、LINE、Instagram、Facebookの動画サービスやSNS利用。対象サービスは順次拡大する予定。
「ミニモンスター」は、データ通信の利用の少ないユーザー向けの料金プランとして、データ使用量に応じて定額料が自動的に適用され、基本プランを含めて月額1,980円から利用できる料金プラン。データ使用量は1GBまで、2GBまで、5GBまで、50GBまでの4段階。
同日に開催された記者発表会には、同社代表取締役 副社長の榛葉淳氏が登壇。新サービス発表のほか、記者との質疑応答も行われた。主な質問と回答は以下の通り。
―今回のプランは、端末の購入に対して割引を行わなくなる「分離プラン」の導入と考えて良いか。
榛葉氏:おっしゃる通り。いわゆる「端末分離」と考えている。ただ、お客様からは従前の「月月割を」という声もあるので、併用し、両方選択できるようにしている。
―端末の割引がなくなってトータルで支払う金額は今までと比べて変わらないように感じるが、そのあたりはどうなるのか。
榛葉氏:価格の比較という点では、当然ながら端末価格の変動にもよるが、基本的には従前と同等か、それよりお得な形で提供できるような形で思い切った形にしている。
また、従前と比べて、キャンペーン期間中はすべて使い放題ということもあり、それ以降も、有名な動画・SNSサービスが使い放題となるため、内容はアップしている。
―ワイモバイルのユーザー層と競合するのではないか。その対策は何かあるのか。
榛葉氏:ソフトバンクとしては、ソフトバンクとワイモバイルのダブルブランドを大切に育ててきた。ワイモバイルはすでに新しい発表を行っているが、社内でも議論を重ねて、100%ではないかもしれないが、お客様が迷わないように利用シーンを分けた形でプログラムを立案している。
ソフトバンクとワイモバイルのブランドで提供できるよう、準備を重ねてきた。いわゆるカニバリ(共食い)の懸念はない。
―分離プラン導入の理由は。
榛葉氏:お客様の声に、そういうものが多かったというのがひとつ。従前より、「ストレスフリー」ということで、サービスプログラムを立案してきたが、ひとつの選択肢としてこういうプランがあるべきだという結論に至った。
ただし、選択肢を広げるということであるため、従前の月月割も選択肢の中に残している。
―なぜ分離プランを求める声が多かったと考えているか。
榛葉氏:お客様の利用方法、利用シーンの中で、そういう声もあったということ。選択肢を広げるべきだと考えた。
―SNS放題はLINEモバイルが以前から提供しているイメージ。LINEモバイルとの食い合いは大丈夫なのか。
榛葉氏:ソフトバンク・ワイモバイル・LINEモバイルという3つのブランドを持っているが、そのあたりも検討の上で、お客様の特徴や特性などを踏まえ、十分に分別してできると考えて踏み切った。
―菅官房長官の「4割下げられるのでは」という発言が話題になっているが、今日発表したプランで、政府からの要望に応えられると考えているか。
榛葉氏:これに限らず、通信事業に参入した時から、ソフトバンクはプライスリーダーとして自負を持って取り組んできた。ワイモバイルという、安価に提供できるブランドも育ててきた。選択肢として、従前からのウルトラギガモンスターなどを含めて、お得に利用できるプログラムを、先進的にリードして作ってきた。今回の新プログラムも、それにマッチしている。
ちなみに、今回の「ウルトラギガモンスター+」は従前と比較して、通信料が25~30%以上は割引されている。そういった面でも、要望に応え、それにマッチしているのではないか。
ただし補足すると、いま申し上げた数字も、昨年まで我々が頑張ってきた金額と比較しての数字。全体的に見ても、ソフトバンクは、1980円という「ミニモンスター」や、ワイモバイルで提供している1480円というプログラムも、従前から(政府の要望と)同じ方向ではないかと考えている。
―カウントフリーの導入で、網内でのデータ圧縮を行うのか。
榛葉氏:技術的な細部のことについては、重要なところなので、今回はコメントを控えたい。
―ノーカウントの対象サービスを選べないとなると、ネットワーク中立性の観点から問題もあるのではないか。どういう議論があった上でサービス提供に至っているのか。
榛葉氏:ネットワーク中立性の観点では、我々は常にオープン。サービス開始当初の8サービスは、個別に話をして合意に至ったところ。今後はオープンに、技術的にマッチングしたコンテンツプロバイダーにはどんどん広げていく。
事前に総務省にも確認し、「これであれば問題ない」ということで相談しながら進めたので、問題ないという認識。
―政府から携帯会社に値下げ圧力がかかることに関して、どう受け止めているか。
榛葉氏:政府側からみれば、4割という発言は、国民のことを考えてのことだと思う。我々はお客様の声で色々と判断している。最終的には、表現や数字は違えど、国民であり日本のユーザーという同じゴールを見ているのではないか。
しかし、我々にとって一番大切なのはお客様の声。我々は、より一層お客様の声を真摯に受け止めて、できることをひとつひとつやっていきたい。
―今回発表されたプランでは「4割削減」とまではいかないが、今後さらに値引きしていく考えはあるか。
榛葉氏:先ほど具体的に「30%下がる」という話をしたが、「4割下げられるのではないか」という発言の根拠があるとは思うが、同じ土俵で比較をしないと議論がおかしくなる。
キャリアの事業は、もちろん価格もあるが、どういうサービスを提供できるのかという品質の問題もある。海外にいくと通信でストレスを感じることは多い。「4割」という数字も大切かもしれないが、トータルで判断・議論していくことも大切ではないかと考えている。
―ノーカウントは50GBのプランのみに適用されるが、容量の少ないプランに展開する計画はあるか。
榛葉氏:現時点では「ウルトラギガモンスター+」のみで考えている。
―具体的にどうやって判別しているのか。DPI(Deep Packet Inspection)などか。
榛葉氏:各コンテンツプロバイダーの「識別子」を見ながらということになる。それ以上のコメントはこの場では控えたい。
