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【業界トピックス】ソフトバンクとグーグルが提携、成層圏に通信基地局を構築へ

ソフトバンクとグーグルが提携、成層圏に通信基地局を構築へ

 ソフトバンクは、米グーグルを傘下に持つ米アルファベットと、上空20キロメートルの成層圏に携帯電話の基地局を設ける事業で提携すると発表した。
 ソフトバンク子会社のHAPSモバイルと米アルファベット子会社のLoon LLCは、高高度飛行体の活用促進に向けた長期的な戦略的関係を構築し、基地局機能を搭載した無人機を成層圏に飛ばすことで、地上基地局よりも広範囲を網羅できる通信網の構築を目指す。
 なお、HAPSモバイルはLoonに1億2,500万米ドルを出資、Loonも今後HAPSモバイルに同額を出資できる権利を有する。
 
 HAPSモバイルは、ソフトバンクと米AeroVironment, Inc.の合弁会社として2017年に設立され、成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「HAWK30(ホーク30)」を開発している。一方Loonは、完成済みの高高度飛行体と通信システムを通し、すでに3,000万キロメートル以上の飛行実績や世界で数十万ユーザーの接続実績を有するほか、高高度プラットフォームの開発や打ち上げ、運用、管理において10年近い実績を有している。両社は今後、技術面と商用面に関わる多くの領域で協業の可能性について交渉し、上空から通信ネットワークを提供するシステム「HAPS」の構築とグローバルでの事業展開を目指す。
 
 HAPS(High Altitude Platform Station)とは、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用し、広域のエリアに通信サービスを提供できるシステムの総称。HAPSを活用することで、山岳部や離島、発展途上国など、通信ネットワークが整っていない場所や地域に、安定したインターネット接続環境を構築することが可能になる。また、現状の通信ネットワークと効率的に相互連携させることで、上空からと地上からの広域にわたるネットワークカバレッジを実現し、ドローンなどの活用につながるほか、IoTや5Gの普及にも役立てることができる。さらに、地上の状況の影響を受けることなく安定した通信ネットワークを提供できるため、大規模な自然災害発生時における救助や復旧活動への貢献も期待される。
 
 HAPSモバイルが開発したHAWK30は、全長約78メートル。ソーラーパネルを搭載した翼には10個のプロペラを備えており、平均して時速約110キロメートルで飛行する。雲などよりも高い高度を飛行して運用するため、ソーラーパネルで太陽光を常時受けることができるほか、1年間を通して比較的風が穏やかに吹く成層圏の特長を併せて生かすことで、数カ月の長期間を安定して飛行することが可能だという。
 
 HAWK30が地上に提供する通信ネットワークは、地上基地局が提供するものと干渉しない仕組みになる予定。また、地上基地局とHAWK30がそれぞれ提供するネットワーク圏のハンドオーバーをスムーズに行うことが可能となるため、スマートフォンを利用しながら地上基地局の通信圏内から出て、HAWK30の通信を利用する際でも、通信が途切れることがないという。
 
 今後、HAPSモバイルは、HAPSを活用した上空からの通信ネットワークをグローバルに提供することを見据えて、各国の関係当局との調整、事業に関わる各種法令・規制などに配慮しながら、研究開発やフライトテストを実施し、2023年ごろにHAWK30の量産化およびサービスの提供を目指すとしている。