【業界トピックス】ソフトバンクと日本ユニシスが新会社「エアトラスト株式会社」設立

ソフトバンクと日本ユニシスが新会社「エアトラスト株式会社」設立

 日本ユニシス株式会社とソフトバンク株式会社は、日本初となる、スマホと秘密分散技術を活用したセキュリティーサービスの知的財産(IP)ビジネスを行う新会社「エアトラスト株式会社」を、2020年6月15日に設立した。エアトラストは、第1弾のサービスとして、スマホを鍵にしてパソコン(PC)のログイン認証ができる、パスワードが不要の認証サービス「Universal Key(ユニバーサルキー)」のライセンスの提供を2020年8月から開始する。  「Universal Key」のライセンスを活用したサービスは、ソフトバンクをはじめとするサービス販売会社が提供する予定。エアトラストは、「Universal Key」のライセンスの提供により、サービス開始から5年間で総額約38億円の売り上げを見込んでいる。

 今後エアトラストは、企業や官公庁が安心・安全に各種デバイスやインターネットを利用できるよう、PCやネットワーク、クラウド上のデータ保護サービスや、多要素認証サービスのライセンスの提供を通して、簡単にセキュリティー制御が可能な環境の構築を支援していく。

〇テレワークの浸透によるPCセキュリティーの課題
 昨今、働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症対策などを背景にテレワークが浸透しており、社外のPCから企業内のシステムへのアクセスが急増している。こうした中、企業においては「従業員のパスワード入力の負荷増大」といった課題が顕在化している他、従来の認証方式ではアクセスしている本人の確認ができず、簡単になりすましが可能であることから、「情報漏えいリスクの増加」も課題となっていた。

〇エアトラストが活用する「秘密分散技術」
 日本ユニシスとソフトバンクは、こうした課題を解決する新たなセキュリティーサービスを普及させることを目指し、エアトラストを設立した。エアトラストが提供するセキュリティーサービスは、生体情報などの秘密情報を無意味化および分散化し、その分散片をスマホやPCなどに保管する「秘密分散技術」が基盤となっている。この秘密分散技術は、情報セキュリティー国際学会(WISA2019)で最優秀論文賞を獲得した株式会社ZenmuTechの特許技術を採用している。この技術は他社の秘密分散技術と比べて、暗号化と復号化を約10倍のスピードで処理し、ファイル容量を90%以上圧縮することが可能。

〇パスワードが不要のPCログイン認証サービス「Universal Key」
 エアトラストはサービスの第1弾として、スマホを鍵にしてPCのログイン認証ができる、パスワードが不要の認証サービス「Universal Key」のライセンスの提供を2020年8月から開始する。「Universal Key」は、PCのログイン情報の分散片を持つスマホをPCに近づけてBluetoothで接続し、スマホで生体認証を行うことで、PCの自動ログインを可能にするサービス(Windowsに対応)。また、スマホとPCの距離が離れると、PCが自動でロックされる。これにより、「従業員のパスワード入力の負荷低減」と、秘密分散技術による「情報漏えいリスクの低減」を実現する。

 なおエアトラストは、2020年8月からのライセンスの提供に先駆けて、7月から企業向けにサービスのトライアル提供(無償)を開始する。また、ソフトバンクはこのライセンスを活用した企業向けのPCログイン認証サービスを、8月から提供開始する予定。

https://denpanews.jp/

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