ソフトバンク開発の係留気球無線中継システム、遭難者位置特定の実証実験へ
ソフトバンクは、山岳での遭難事故による遭難者の迅速な救助を目的として、総務省北海道総合通信局から「携帯・スマホ等を活用した遭難者の位置特定に関する調査検討の請負」事業を受託したことを発表した。
当事業は、スキー場などでの遭難事故の際に、遭難者が所有する携帯電話などを使って、遭難場所を特定する技術的な試験や調査を実施する取り組みである。
今回の取り組みでは、2017年3月までにスキー場や警察・消防などの捜索救助機関と連携して、携帯電話などが雪の中に埋もれた状況において、積雪などがGPSの受信や携帯電話などの通信に及ぼす影響などについて、技術的検証を交えた調査を行う。
遭難者位置特定に関しては、携帯電話やスマートフォンに搭載されているGPSが有効だが、遭難場所がサービスエリア外の場合や携帯電話が雪の中に深く埋もれた状況などでは通信を確保できない。そこで、迅速に遭難者の携帯電話との通信を確保し、位置特定をする手段として、ソフトバンクが開発した係留気球無線中継システムなどの「臨時無線中継システム」の利用が有効だと考えられている。
係留気球無線中継システムは、災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に回復させることを目的にソフトバンクが開発し、2013年から全国の主要拠点に配備している。
ソフトバンクは、今回の取り組みによる調査結果をもとに、サービスエリア外や携帯電話が雪の中に深く埋もれた状況における有効な捜索ソリューションの一つとして係留気球無線中継システムを活用した遭難者の位置特定方法を提案する予定であるとしている。
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