ドコモ、タクシーの利用需要を予測する「移動需要予測技術」の実証実験を開始
株式会社NTTドコモは、東京無線協同組合、富士通株式会社、富士通テン株式会社と協力して、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計※1に、東京無線のタクシー運行データ等をかけ合わせて分析することで、タクシーの利用需要をリアルタイムに予測する「移動需要予測技術※2」を新たに開発し、交通網の効率化をめざす世界初※3の実証実験を開始することを発表した。
今回新たに開発する「移動需要予測技術」は、人口統計や運行データのほか、気象データや周辺施設(POI※4)データ等に機械学習等の人工知能技術を適用して、タクシーの需要予測モデルを作成し、現在から30分後の乗車数を予測するもの。同実験で、その予測情報を東京無線のタクシードライバーに音声、文字、タブレットの地図上に分布して表示するなどして提供することで、実運用を通じて有効性を判断する。
このタクシー車両の運行データは富士通テンのタクシー配車システムと富士通が提供する位置情報サービス基盤「SPATIOWL(スペーシオウル)※5」により収集する。
また、同実験において予測情報の精度の技術検証を行い「移動需要予測技術」を確立し、将来的に全国のタクシー会社の運行データを追加することで、さまざまなエリアでのサービス提供をめざす。
そのほか、予測情報はタクシー会社の既存の配車システムと連携し、新たな設備を設置することなく低コストでスムーズに「移動需要予測技術」の導入が可能となるよう検討するとのこと。
※1 実験で使用する人口統計は、エリア毎や属性毎の集団の人数を示す情報であり、ユーザー個人を特定できる情報を一切含まない。したがって、この人口統計によりユーザーの行動が他人に知られることはない。なお、同実験で使用する人口統計は、モバイル空間統計ガイドラインを遵守している。
※2 「移動需要予測技術」は、NTTグループのAI技術「corevoTM」を採用している。
※3 NTTドコモ独自の調査による。2016年5月時点。
※4 POI(Point of Interest)とは建物や店舗等の施設情報のこと。
※5 走行する車両やセンサ、インターネットから収集される位置情報を活用した富士通のサービス。
■概要
ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計と、タクシー運行データのほか、時間や季節等の周期的な変動傾向、エリア特性を組み合わせることで、エリア単位で人の動きとの相関関係や指定するエリアのタクシー需要を解析して、30分後のタクシー需要予測情報をドライバーに提供。
東京無線のドライバーによる実運用を通じて有効性を検証し「移動需要予測技術」を確立し、将来的に商用化を目指した実証実験を開始する。
■実験期間
2016年6月1日~2017年3月31日
■移動需要予測技術について
今回、ドコモが開発するタクシー向け「移動需要予測技術」は、タクシー運行データから得られる乗車場所及び時間の履歴と、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計や気象データ、周辺施設(POI)データ等の関係について人工知能技術を用いて、現在から30分後の乗車数を予測するもの。
■実証実験について
東京無線のタクシードライバーに提供する30分後のタクシー需要予測情報と、運行データの実績との差分の検証を行いデータの適合率を検証、最適化を行い、移動需要予測技術を確立する。
<実証実験全体イメージ>
http://denpanews.jp/