ドコモ、マンホール型基地局の試作機開発、18年度内の本格運用目指す
NTTドコモは、マンホール型基地局の試作機を国内で初めて開発した。周辺にアンテナ設置に適するような場所がない観光地や景勝地のほか、通信速度が低下する人口密集地などにおけるサービスエリア構築を目的としており、3月から札幌に基地局を開設して実証実験を開始している。
マンホール型基地局は、マンホールの中に基地局を設置したもので、サービスエリアを最大化しつつ、基地局の真上に人が立った状態でも基地局からの電波の強さが電波法令を満たすことがポイントとなる。
アンテナは地中10cmの深さに設置されており、無線装置への光回線の接続、電源の確保は、地下埋設された配管により地上から引き込んでいる。また、サービスエリアは半径90m程度となっている。
マンホール型基地局を本格運用するにあたっては、快適な通信環境を提供できるサービスエリアの確保、マンホール上を含むマンホール型基地局周辺の電波の強さ、設置場所の安全基準に準拠したマンホール蓋の強度といった条件を満たす必要がある。
ドコモは、多くの人が集まる環境での高負荷環境や高温多湿の環境、降雨の多い環境下などで、これらの条件を満たすことができるかを確認するため、東京都内や沖縄県での実験も予定している。
また、今後について、2018年度内の本格運用をめざし、基地局設置が難しかった地域への通信環境の改善に取り組み、将来的な5Gへの技術の応用についても並行して検討を進めていくとしている。