ファーウェイとボーダフォン、欧州初の5G遠隔運転試験を実施
ファーウェイとボーダフォンは、「グローバルモバイルブロードバンドフォーラム 2017」において、標準化前の第5世代移動体通信(5G)ネットワークを介して、あらかじめ承認を受けた運転手が自動車を遠隔運転する様子を欧州で初めて披露した。
英国サリー大学 5Gイノベーションセンター(5GIC)と、ドイツ・ミュンヘン工科大学の協力のもと、標準化前の5G技術を用いて行われた今回の公開試験では、フォーラム会場となったロンドンのエクセル展覧会センターから、サリー大学のキャンパスに配備された車両を完全に暗号化された通信を利用して制御する様子が披露された。
今後は5Gを活用することで、採掘や廃棄物処理などのとりわけ過酷で危険な環境において、訓練を経て承認を受けたオペレーターがマシンを完全に暗号化された通信を介して遠隔制御することが可能になる。
また、自動運転車両に対する緊急時の制御にも活用可能。
今回の試験では、車両は50キロメートル離れた場所から遠隔操作され、時速約20キロメートルの速度で走行した際の制動距離の誤差はわずか6センチメートルだった。これは、遅延をエンドツーエンドのネットワークで10ミリ秒未満に、無線インターフェースで1ミリ秒未満に抑えることで達成。
ボーダフォン・グループ R&Dならびに技術戦略部門トップであるルーク・イベットソン(Luke Ibbetson)氏は次のように述べている。 「5Gに関する標準策定は完成に近づいており、今回の試験を通じて低遅延や高信頼などの5Gの特長が実現されつつあることが示され、今後への自信となりました。また、高度モバイルブロードバンドの提供に向けて5Gが果たす役割に加え、素晴らしい未来の一端をうかがい知ることができました。今回の試験は、私たちのネットワークが将来の5Gコネクテッドカーをサポートできるようファーウェイと推進してきた協業におけるマイルストーンともなりました」
ファーウェイ 5Gプロダクトライン プレジデント 楊超斌(ヤン・チャオビン)は次のように述べている。 「ファーウェイは、5Gにさらなる活力をもたらす新たなアプリケーションの探究に注力しています。コネクテッドカーは、5Gエコシステムを構成する最も重要な要素の1つです。今回のボーダフォンとの協業では、5Gネットワークがインテリジェントなネットワーク技術の発展を促し、産業チェーンの成熟を加速することが示されました」
自動車の遠隔運転が5Gで実現可能になるのは、そう遠い未来ではないようだ。