【業界トピックス】“第4の携帯キャリア”に自信、楽天・三木谷社長「設備投資は6000億円で十分」

“第4の携帯キャリア”に自信、楽天・三木谷社長「設備投資は6000億円で十分」

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は13日の決算会見に登壇し、「第4の携帯キャリア」として参入を表明している携帯電話事業について「楽天モバイルを楽天カードに並ぶ事業に育てていく」と語った。
 楽天モバイルの2018年1月時点での契約者数は約150万人で、2年前と比べて7倍の規模に拡大。また、2017年12月末時点で182店舗を展開し、全国に店舗網を拡大している。三木谷氏は「楽天グループのエコシステムをさらに強化する意味でもMNOへの進出は極めて重要」として、MNO事業に期待感を示した。
 
 電波取得後、2025年までに最大で6000億円の資金を調達して基地局などを整備する計画で、三木谷氏は「資金はリース等を活用して、効率的に資金負担がない形で展開していきたい」とした。しかし、KDDIの田中孝司社長が「(6000億円で設備が賄えるほど)通信事業は甘くない」と述べるなど、業界内からは厳しい指摘もあがっている。
 
 同日の会見では6000億円の内訳の概要が明らかにされ、屋外基地局に3000億円、屋内基地局に800億円、コアバックボーンその他に650億円、10ヵ年のユーザー増対応等に800億円、終了促進費用に754億円を充てる予定だという。
 また、人工知能(AI)を活用して効率的にネットワークを整備することでコスト削減を図るとして、三木谷氏は「基地局ベンダーからも見積もりを受けた。設備投資は6000億円で十分」と説明。「MNOへの転換の未来は極めて明るい」と自信をのぞかせた。
 
 ただ、回線網整備には時間がかかるため、サービス開始当初は「大手3社のネットワークを借りる必要がある」(山田善久最高財務責任者)としている。
 

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