2016年度は「利益回復からその先に向かう躍動の年に」―NTTドコモ 2016年度決算発表
NTTドコモは2017年4月27日、2016年度通期(2016年4月~2017年3月)決算を発表した。営業収益は前年度比1.3%増の4兆5846億円、営業利益は同20.7%増の9447億円となり、増収増益であった。
また、通信事業については、営業利益が前年度比17.5%増の8328億円。スマートライフ事業とその他の事業を合わせたスマートライフ領域については、営業利益が同50.9%増の1119億円となった。
営業利益の回復、スマートライフの利益成長、コスト効率化の推進など、2014年度に発表した全ての中期目標を1年前倒しで達成したほか、5Gに向けたLTEネットワークの高度化や+dのパートナー拡大も進展。吉澤社長は、2016年度について「利益回復からさらにその先に向かう躍動の年になった」とコメントした。
セグメント別では、まず通信事業については、端末機器販売収入の減少とお客さま還元の強化を目的とした料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の充実によるモバイル通信サービス収入の減少影響はあったものの、同プランの加入者におけるパケット利用拡大が進んだこと、スマートフォン利用やタブレット端末等の2台目需要が拡大したこと、そして「ドコモ光」の契約者数が340万契約へ拡大したことなどにより、営業収益は前期に比べ214億円(0.6%)増加して3兆7112億円となった。
一方で、「ドコモ光」の収入に連動する費用に加え、「更新ありがとうポイント」や「ドコモ 子育て応援プログラム」といったお客さま還元の強化に伴う費用が増加したものの、有形固定資産の減価償却方法の変更による減価償却費の減少や端末機器原価の減少、継続的なコスト効率化の取組みなどにより、営業費用は前期に比べ1026億円(3.4%)減少して2兆8784億円となった。
この結果、通信事業の営業利益は、前期に比べて1239億円(17.5%)増加して8328億円となった。
また、スマートライフ事業では、dマーケットをはじめとしたコンテンツサービス収入の増加はあるものの、グループ会社における収入の減少などにより、営業収益は前期に比べ22億円(0.4%)減少して5,019億円となった。
営業費用は、コンテンツサービス収入に連動した費用の増加はあるものの、グループ会社における収入に連動した費用の減少などにより、前期に比べ137億円(3.0%)減少して4,440億円となり、その結果、スマートライフ事業の営業利益は、前期に比べ115億円(24.7%)増加して579億円となった。
通信事業では、 料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を軸に、継続的な「お客さま還元」の強化に努めた。2016年6月に、2年定期契約満了後の解約金のあり・なしをユーザーが選べる2つのコースの新設、「ずっとドコモ割」の拡充、「更新ありがとうポイント」の提供を開始。2016年9月には「ウルトラパック」、2016年10月には「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」と2段階パケット定額プラン「ケータイパック」、2016年11月には「キッズケータイプラス」、そして2017年1月には「カケホーダイライトプラン(スマホ/タブ)」に「データSパック」の適用を開始した。
これらの取組みにより、「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は、前年同期末と比較して736万契約増の3707万契約となった。
また、「はじめてスマホ割」や「シニア特割」の提供を開始したほか、「iPhone 7/ 7 Plus」「MONO MO-01J」の販売を開始するなど、端末ラインナップの充実にも努め、スマートフォン・タブレット利用数は3,586万契約となった。 「ドコモ光」についても、サービス拡充と普及に向けた取組み、販促キャンペーンを実施した結果、純増数は184万契約、契約数は340万契約となった。
スマートライフ事業では、まず「dマーケット」のラインナップ充実に努めた。2016年4月に「歩いておトク」等の健康に関する4つのサービスを、そして「dヘルスケアパック」の提供を開始した。これらの取組みに加え、「dマガジン」の販売が好調に推移し、dマーケット契約数は1,608万契約となった。
また、「dカード」普及に向けた取組みも実施した。2016年10月、「dカード」と「iD」がApple Pay対応となった。2016年11月には、全国のiD加盟店と国内外のMastercard加盟店の支払いで利用できる前払い式のカードに「dポイントカード」の機能をあわせた「dカード プリペイド」の提供を開始した。
そのほか、2017年2月より、Perform Groupと協力し、明治安田生命Jリーグをはじめとした国内外の人気スポーツがライブやオンデマンドで見放題となるサービス「DAZN for docomo」の提供を開始した。契約数は3月末時点で36万件、直近では45万件に達しているという。
質疑応答では、ドコモの契約者数におけるMVNOの比率を問われたが、吉澤社長は「お客様全体の10%、1割程度」と回答した。また、FREETEL SIMを提供するプラスワン・マーケティングが、4月21日に消費者庁の措置命令を受けたことについて聞かれると、「今回の件については(プラスワン・マーケティングが)"通信速度No.1"と仰ったようだが、MVNO事業者同士でもそうした競争が起こっているのではないかと思う。以前は大手キャリア3社も、"うちがNo.1だ"と謳い『みんなNo.1なのはおかしい』と言われた。こうした動きについては、客観的な働きかけが大事だと思う」と述べた。
http://denpanews.jp/