KDDI、東松島市でAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」導入、全自動で水と肥料を供給
KDDIは、宮城県東松島市野蒜地区でKDDIエボルバが運営する「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜 (のびる)」 へ、IT活用による農作業の省力化および農産物の収量向上と味の向上を目的に、AI潅水施肥 (かんすいせひ) システム「ゼロアグリ」を導入する。
また、農産物の生育状態を遠隔から動画にて把握することを目的に屋外クラウド録画パッケージと、圃場内の温度状況に応じて日射量を自動調整することを目的に遮光カーテンを導入する。
今回の農業IoTの導入は、宮城県東松島市、KDDI、KDDI総合研究所とKDDIエボルバが、2018年11月30日にSDGs未来都市の推進による地域活性化を目的とした協定を締結した取り組みの一環。
従来の栽培方法で作物に水や肥料を供給する場合、タイマーなどを使用する場合が多く、潅水・施肥の量やそれらを供給するタイミングは、生産者自身が判断して設定を行う必要があり、栽培には経験とノウハウが必要であった。
「ゼロアグリ」は、日射センサーと土壌センサーの情報を基に、作物の成長に合わせた必要な水の量をAIが算出・判断し、適切なタイミングで点滴チューブより自動で供給するため、潅水と施肥の作業時間を大幅に軽減するという。さらに、土壌は常に最適な水分状態が保持され、作物にとってストレスの少ない環境を実現することにより、従来の慣行栽培と比べ収量・品質の向上と省力化および水・肥料の削減につながるとのこと。
また、農産物の生育を映像として記録する屋外クラウド録画パッケージを導入。撮影された動画はau 4G LTE回線を通じて「KDDI IoTクラウド Standard」に保存され、スマートフォンやパソコン、タブレットからリアルタイムの閲覧や、過去30日間の映像の確認も可能となる。そのほか、圃場 (ビニールハウス) の日射量を調整することを目的に、圃場内の温度に応じて自動で開閉する遮光カーテンも導入する。