SNSの投稿情報を分析、下田市で未来型AI防災訓練を実施
下田市、アビームコンサルティング、LINEは、防災・減災分野においてSNSやAIを積極的に活用することで、災害対応能力の高い社会を構築することを目的に、下田市において新しい形の実証訓練を共同で実施すると発表した。訓練は1月28日、下田市民スポーツセンターで行われる。
訓練は、慶應義塾大学山口真吾研究室、国立研究開発法人防災科学技術研究所、ウェザーニューズ、下田有線テレビ放送の協力を得て行われる。
実証訓練では、下田市の関係職員、自主防災組織、消防団員、関係企業・団体などの訓練参加者から、大規模風水害・土砂災害をイメージした、想定される被害状況や被災者に関する情報を自分のスマートフォンから、訓練用に臨時開設されたインターネット掲示板やLINEの専用アカウントなどに投稿してもらう。
投稿された情報をAIで迅速に分析・整理し、その結果を下田市民スポーツセンターに設置した下田市の災害対策本部内のスクリーンに表示。災害対策本部は、そのAIの分析結果に基づいて対処検討等の訓練を行う。
下田市は、三方を山に囲まれており、急傾斜地に沿うように集落が点在している。土砂災害警戒区域も市内で599箇所指定されており、豪雨時、地震時には市内のどこで大規模災害が発生してもおかしくない環境にある。
また、伊豆地方は、有史以来たびたび地震・津波の災害に見舞われており、駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生するレベル2の地震・津波では、最悪5千人を超える死傷者の発生が想定されている。こうしたことから、災害対策における的確な情報伝達・分析は重要な業務に位置づけられている。
そこで、今回の対処訓練を通じて、SNS情報分析システムの有用性を評価し、災害時に確実な行動をとるための方法を探っていく。