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2012年度 ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向調査

■ ブロードバンドサービス加入者は3,718万件、世帯普及率68.6%
■ NTTグループの光回線シェアは東日本で80.6%、西日本では67.5%
■ 光回線満足度1位はケイ・オプティコム、携帯電話満足度1位はKDDI
■ NTT東西の光回線が伸び悩む一方、auひかり・WiMAXがシェアを拡大

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は8月14日、2012年度ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向に関する調査結果をまとめた。

■ ブロードバンドサービス加入者は3,718万件、世帯普及率68.6%

 ブロードバンドサービスの総契約件数は、2012年3月末時点で3,718万件。全国世帯数比の普及率は68.6%となった。単独世帯の増加により世帯数が増えているため、普及率は伸び悩んでいる。
 3,718万件のブロードバンドサービスのうち、光回線は2,230万件で60%を占める。2009年3月時点では1,502万件で全体の5割に過ぎなかったが、その後3年間で728万件増えたことになる。一方、ADSL回線は671万件にまで減少し、ブロードバンド全体の18%に落ち込んでいる。
 CATVインターネットはこの1年間で24万件増の591万件へと順調に伸びている。また、WiMAXなどのブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)は前年比2.8倍の230万件へと大きく加入者を伸ばした。

■ NTTグループの光回線シェアは東日本エリアで80.6%、西日本エリアでは67.5%

 光回線の事業者別回線数について、東西エリア別に分類すると、東日本エリアではNTT東日本が1,161万件のうち935万件でシェア80.6%と圧倒的なシェアを占めている。KDDIは東日本エリアで148万件、12.7%を獲得しており、この2社だけで9割以上を占める。さらに東北、甲信越エリアでのNTT東日本のシェアは95%前後であり、地方部でのNTT東日本による光回線市場はほぼ独占状態となっている。
 これに対して西日本エリアは、ケイオプティコムが130万件で12.2%のシェアを獲得するなど、東に比べて激しい競争が展開されており、NTT西日本のシェアは721万件、67.5%に留まる。西日本エリアでは、KDDIやケイオプティコム以外の電力系事業者も一定のシェアを獲得しており、NTT西日本の牙城を切り崩ている。しかし、西日本エリアにおいても、北陸エリアではNTT西日本が約95%を占めるなど大都市圏以外では強みを発揮している。
 全国ベースでの光回線加入者数はNTT東西が1,656万件(シェア74.3%)、KDDIが227万件(10.2%)、ケイオプティコムが130万件(5.8%)であり、上位4社で9割を占めている。
 KDDIは2012年2月からauスマートバリューの販売を開始し、auひかりとau携帯電話サービスのセット販売を強化してきた。その結果、割引率の高い同サービスへの加入者が増えており、2012年度以降もさらにシェアを伸ばしそうだ。

■ 光回線の顧客満足度1位はケイ・オプティコム

 関西地区で30%という高いシェアを獲得しているケイオプティコムは、サービス品質やコストパフォーマンスの高さからユーザーの支持を得ている。ICT総研が2012年5月に21,000人を対象に実施したユーザーアンケート調査では、ケイオプティコムの光回線利用者の8割以上が満足していると回答しており、満足度ポイントは65.7ポイントで全事業者中最高位であった。スマートバリューが好調なauひかりも62.1ポイントで2番目に高い満足度を得ている。
 NTT東西のフレッツ光利用者の顧客満足度は59.2ポイントでKDDIに次ぐ3位、またNTT東西のインフラを活用しているYahoo!BB光withフレッツの顧客満足度は57.7ポイントとなった。

■ 携帯電話サービスの顧客満足度1位はKDDI

 携帯電話サービスでは、au(KDDI)が60.2ポイントを獲得し、NTTドコモを抑えて顧客満足度トップに躍進した。サービス品質、顧客対応の2項目で高い満足度を得ているだけでなく、料金満足度でも比較的高い満足度ポイントとなったため、NTTドコモを逆転した。ICT総研が1年前に実施した携帯電話サービス満足度調査では、NTTドコモが62.9ポイントで1位、au(KDDI)は61.4ポイントで2位だった。
 逆転の主な要因としてはKDDIからiPhoneが発売されたこと、auスマートバリューが開始されたこと、NTTドコモの通信障害が頻発したことが挙げられる。  ソフトバンクは総合満足度56.4ポイント、イーモバイルは56.0だったが、前回の調査と比べて上位2社との差は縮小しており、全体的にサービス品質の向上が見られる。
 固定ブロードバンドサービスの加入者数が伸び悩む中で、多くの通信事業者は固定系サービスとモバイルサービスを融合させる戦略を取っており、今後は固定・モバイル双方の満足度を高めることが顧客獲得のカギとなりそうだ。

※2011年8月に実施したアンケート調査の回答件数は5,600件、顧客満足度は「サービス内容・品質」についてのみ回答を得ている。

■ NTT東西の光回線が伸び悩む一方、auひかり・WiMAXがシェアを拡大

 NTT東西のブロードバンドサービス加入者は、依然圧倒的シェアを占めているが、フレッツ光の純増数は年々低下している。2008年度には年間純増数が236万件だったが、2011年度には151万件へと激減。また、フレッツADSLサービスも毎年50縲鰀60万件規模で減少し続けているため、NTT東西のブロードバンドサービス加入者純増数は97万人に落ち込み、とうとう100万件を割り込むことになった。
 NTT東西の純増数減少の一因となっているのが、モバイルブロードバンドサービスの普及である。例えば、UQコミュニケーションズのWiMAXサービスは、2010年にサービスが開始されて以来、屋内外で手軽に利用出来るブロードバンドサービスとして利用者が急増している。この1年間の純増数は146万件で、2012年3月時点での累計加入者は227万件に達した。WiMAXなどのBWAサービスやスマートフォンによるモバイルインターネットサービス利用が増えた影響により、光回線の純増数は伸び悩んでいる。
 NTT東西とは逆に、KDDIグループは、この4年間にauひかりで30縲鰀40万件の増加を維持しており、さらにグループ企業のCATVインターネットやWiMAXサービスが順調に伸びているため、ブロードバンドサービス全体で大きく加入者数を増やしてきた。auスマートバリューの効果が顕著に現れる2012年度は、さらにKDDIグループのブロードバンドサービス加入者が増えることが見込まれる。
 ソフトバンクグループもワイヤレスシティプランニングが提供するAXGPサービスを独自ブランドのソフトバンク4Gとして展開しており、WiMAXなどのモバイルブロードバンドサービスに対抗する戦略をとっている。
 今後は、KDDI、ソフトバンク、イーアクセスがLTEサービスを強化する方針であり、LTE分野で先行するNTTドコモを追撃すべくインフラ整備を急ピッチで進めている。
 ブロードバンドサービス市場の普及率が伸び悩む中で、今後は固定系ブロードバンドとモバイルブロードバンドの融合がさらに進み、市場を活性化させることが期待される。

【本調査における定義】
*この調査は、電気通信事業者、関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー21,000人へのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。