■ 法人の46.5%がiPhone5導入を検討。うち導入確定企業は7.3%
■ 現在iPhone未導入の法人の選択意向は、 auが51.1%と過半数
■ auの選定理由はネットワーク面への信頼感。ソフトバンクは価格・料金面
■ au iPhone法人利用者の満足度は77.5ポイント。他スマホと比べて突出
■ 2016年度の法人向けスマートデバイス出荷台数は530万台へ
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は9月26日、法人のiPhone5に関する需要動向調査の結果をまとめた。9月22日から24日の3日間で実施した、企業の携帯電話導入決裁者・決裁関与者向けのWebアンケートの結果をまとめたものである。アンケート回答者数は1,200人。企業規模ごと(1~9人/10~29人/30~99人/100~299人/300~999人/1,000人以上)に200人ずつ抽出した。9月21日に発売されたiPhone5について、法人のニーズを探ることを目的としている。
■ 法人の46.5%がiPhone5導入を検討。うち導入確定企業は7.3%
企業の携帯電話導入決裁者・決裁関与者向けのWebアンケートの結果によると、法人の46.5%がiPhone5導入を検討していることがわかった。そのうち、すでに導入を決めている法人は、7.3%にのぼる。個人ユーザーだけでなく、法人も大いにこの新商品に関心を持っていることが読み取れる。また、導入を検討している法人の割合は、企業規模が大きくなるにつれて拡大しており、300人以上の企業では、導入を検討している法人の割合が50%超に達する。
■ 現在iPhone未導入の法人の選択意向は、 au が51.1%と過半数
現在、日本では、iPhone5はauとソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)の2社で取り扱っているが、法人はどちらのキャリアを選択するのか。現在導入しているキャリアによって、回答は大きく異なった。現在、auのiPhoneを導入中の法人は、iPhone5検討時も82.4%がauを選択と回答。同様に、現在ソフトバンクのiPhoneを導入中の法人はiPhone5検討時も85.5%がソフトバンクを選択するなど、法人がいったん導入したキャリアを変更することは容易でない様子が読み取れた。 一方で、このアンケートで「現在、iPhoneを導入中」と回答した法人は1,200社中139社と1割強にすぎないことからも分かるとおり、世の中のiPhone導入企業は1割に留まる。残り9割を占める未導入の法人について、iPhone5検討時の選択キャリアを聞いたところ、au 51.1%、ソフトバンク 48.9%と、auが過半数を若干上回る結果となった。両者熾烈な獲得争いをしており、ともに譲らず多くの法人に支持されている様子が伺える。
■ auの選定理由はネットワーク面への信頼感。ソフトバンクは価格・料金面。
auのiPhone5を選択した法人は、ネットワーク面への信頼感を選択理由に挙げている。「通信エリアの広さ」(59.8%)、「ネットワーク品質」(40.9%)、「建物内でのつながりやすさ」(19.8%)、「建物外でのつながりやすさ」(16.1%)など、ネットワーク面での高い評価が目立つ。一方で、ソフトバンクのiPhone5を選択した法人は、価格・料金面での割安感を選択理由に挙げている。「通信料金」(44.4%)、「端末価格」(29.8%)など、コスト面で割安と考えられているようだ。
■ au iPhone法人利用者の満足度は77.5ポイント。他スマホと比べて突出
現在、法人が利用しているスマートフォンの満足度に目を向けると、au iPhoneの突出した満足度の高さが目をひく。総合満足度ポイント77.5ポイント(100点満点換算)は、次点のソフトバンクiPhone(65.8ポイント)に10ポイント以上の差をつけてトップである。「通信エリアの広さ」、「ネットワーク品質」、「端末価格」、「端末の仕様・スペック」、「アフターサービス」など幅広い項目で高い満足度ポイントを獲得した。次点のソフトバンクiPhoneも、幅広い項目で高ポイントを獲得したものの、「通信エリアの広さ」、「ネットワーク品質」などの点で低い評価を受けた。Androidスマートフォンと比べて、全体的にiPhoneの満足度が高い結果となった。
■ 2016年度の法人向けスマートデバイス出荷台数は530万台へ
スマートフォンとタブレット端末を合算したものを、スマートデバイスと定義すると、スマートデバイスの法人向け出荷台数は、2011年度129万台だったものが、2012年度には242万台まで拡大する。毎年右肩上がりに市場が拡大していき、2016年度には530万台にまで拡大すると見られる。急激に立ち上がった個人向け市場に比べ、法人市場の拡大のペースはゆるやかだが、法人からの注目度も高いこのiPhone5などが起爆剤となり、今後の市場の成長が期待される。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。