2013年4月 電車移動中のスマートフォンつながりやすさ実測調査(関西編)

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■ auが、「受信エリアの広さ」96.5%でトップ。関東に続きトップを獲得。
■ ソフトバンクは、「切れにくさ」で93.2%とトップ。電波改善の成果か。
■ NTTドコモは広さ、切れにくさともにやや苦戦するも、LTE比率でトップ。
■ 全体的に、関東の結果と比べると、やや各社の結果が低い傾向に。

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は4月17日、電車移動中のスマートフォンつながりやすさ実測調査(関西編)の結果をまとめた。当社で1月7日に発表(12月に測定実施)した同調査(関東編)の続編としての位置付けになる。関西エリアの2府4県をカバーする8路線の電車について、合計7時間34分57秒にわたる実測調査を実施することで、電波状況を面的に把握。「受信エリアの広さ」(圏内時間比率)、「切れにくさ」(音声通話接続維持率)という指標で携帯電話キャリアの現状を比較した。調査期間は2013年4月1日から3日の日中時間帯。ただし、JR大阪環状線については、混雑時間帯の状況を把握するため、帰宅ラッシュ時の19時台に測定した。測定にあたっては、スマートフォンが電波圏内であるか否か、及び音声通話の接続成功時間を自動カウントするツール(専用に開発したもの)を利用した。

■ auが、「受信エリアの広さ」96.5%でトップ。関東に続きトップを獲得。

 実測の結果、受信エリアの広さ(圏内時間の比率)では、auが96.5%でトップ。関西8路線での合計測定時間 7時間34分57秒のうち、電波を受信できた時間が7時間19分14秒と、他社(NTTドコモ 7時間13分39秒、ソフトバンク 7時間18分13秒)を上回った。路線別に見ると、JR山陰本線(京都~福知山)、地下鉄 御堂筋線(江坂~なかもず)、JR大和路線(天王寺~加茂)でトップ。また、切れにくさ(音声通話接続維持率)でも、トップと0.1%差の93.1%と、安定した結果を残した。auは関東エリア(関東12路線)でも、受信エリアの広さでトップであり、関東・関西と続けてトップを獲得したことになる。一方で、測定時間におけるLTE比率は、40%と他社に後れを取る結果となった。同社がiPhone5向けに提供している2GHz帯のLTE整備が途上であることがうかがえる。

■ ソフトバンクは、「切れにくさ」で93.2%とトップ。電波改善の成果か。

 ソフトバンクモバイルは、「切れにくさ」(音声通話接続維持率)が93.2%とトップ。合計測定時間 7時間34分57秒のうち、音声通話を続けられた時間が7時間4分13秒と、他社(NTTドコモ 7時間1分3秒、au 7時間3分26秒)を上回った。受信エリアの広さ(圏内時間の比率)でも、トップと0.2%差の96.3%。また、測定時間におけるLTE比率でも、トップと2%差の63%で次点と、12月に測定した関東編と比べ、大きく改善した。「LTE」と「つながりやすさ」という2つの側面で電波受信エリアの改善・拡大をアピールしている同社だが、その成果は本調査からも見て取れる。ただし、大阪市営地下鉄 御堂筋線では他社に比べてエリア展開で後れをとっており全体の結果に影響を及ぼした。

■ NTTドコモは広さ、切れにくさともにやや苦戦するも、LTE比率でトップ。

 NTTドコモは、「受信エリアの広さ」(圏内時間の比率)がトップと1.2%差の95.3%、「切れにくさ」(音声通話接続維持率)がトップと0.7%差の92.5%と、ともに他社の実測結果に及ばなかった。ただし、「切れにくさ」については、JR東海道本線・山陽本線(大阪~姫路)、JR大阪環状線(天王寺~天王寺)、JR奈良線(京都~奈良)などでは他社を上回る安定感を見せた。一方で、測定時間におけるLTE比率は、全体で65%とトップ。大きく苦手とするエリアがなく、他社に先んじてLTEサービス「Xi」を展開してきた強みを見せた。

■ 全体的に、関東の結果と比べると、やや各社の結果が低い傾向に。

 本調査では、関西の8路線の電車を実測対象としたが、12月に測定した関東12路線の実測結果と比べると、どの携帯電話キャリアも圏内時間の比率、音声通話接続維持率の数値がやや低い傾向となった。これは、平野が中心の関東に比べ、関西の郊外路線では山間部を走ることも多い環境的な要因が影響していると考えられる。
3Gも含めた圏内時間の比率が各社95%を超える結果を出したのに対し、LTE比率はトップでも65%程度。まだまだ整備途上である。ただし、着実にLTEエリアが拡大している様子は見て取れており、今後もさらなる充実化を期待したい。
ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」というそれぞれの側面について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、携帯電話・スマートフォンユーザーの指標となる実測データを提供していく方針だ。


【本資料の調査データについて】
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、調査実施時点の実測データである。
*NTTドコモの調査対象端末として、iPhone5(SIMフリー版の「iPhone5」に同社のnanoSIMを挿入したもの)を利用した結果を発表している点について、検証のために同社のAndroid端末(Galaxy SⅢ)でも同条件で実施しており、その結果と遜色なかったことを注記しておく。

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関西エリアの鉄道8路線における、受信エリア調査結果(圏外・圏内・LTE受信の時間とエリア)、音声い通話接続維持試験結果(発信・切断回数、接続成功時間・切断時間)を記載しています。
各社のAndroid端末の測定結果についても、掲載しています。
*別途、本調査の合計7時間34分のGPS連動ロウデータ(1秒ごとの測定結果)をご提供可能です。こちらもご相談ください。

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