■ スマートデバイスの出荷台数は2012年度3,448万台。2016年度には1.3倍に。
■ 2016年度にタブレット端末とノートPCの出荷台数が逆転する見通し。
■ ノートPCからの置き換えも進み、法人比率は6.7%から2016年度 12.9%へ。
■ ドコモ版iPhoneがもし発売された場合の購入検討者は、27%から24%に減少。
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は6月11日、スマートデバイス市場の調査結果をまとめた。スマートデバイスとは、スマートフォンとタブレットの総称と定義する。
■ スマートデバイスの出荷台数は2012年度3,448万台。2016年度には1.3倍に。
2012年度のスマートデバイス出荷台数は、前年の1.3倍の3,448万台となった。2011年度より普及が爆発し始めたが、携帯電話キャリアのスマホラインナップの充実、7インチタブレットの浸透などを背景として、2012年度も大きく市場規模を拡大させた。これは、同年のノートPCの出荷台数の3.3倍、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の2.9倍にあたる。PC全体の出荷台数(1,501万台)と比較しても規模の大きさが際立つ。今後も伸び率こそ落ち着くものの堅調に増加を続け、2016年度には2012年度比1.3倍の4,533万台となる見込み。
■ 2016年度にタブレット端末とノートPCの出荷台数が逆転する見通し。
2011年度にはスマートデバイスのうちタブレット端末はわずか10.5%に留まるなど、スマートフォンが台数を牽引していた。だが、2012年度はタブレット端末の比率が14.2%に拡大。2013年度以降もタブレット端末の出荷台数伸び率がスマートフォンを上回り、2016年度はスマートデバイス全体の22.3%を占めると見込まれる。タブレット端末の出荷台数は2016年度1,013万台にまで拡大し、同年のノートPC全体の出荷台数予測940万台を逆転する見通し。
■ ノートPCからの置き換えも進み、法人比率は6.7%から2016年度 12.9%へ。
フィーチャーフォンやPCと比べると、スマートデバイスの法人への導入は遅れているが、ここ1~2年でスマートデバイスの法人への導入が加速し始めている。障壁となっていたセキュリティ面や通信コストの高さが徐々に解消されてきており、特に外勤のスタッフを中心に、ノートPCからの置き換えも進んでいる。2012年度のスマートデバイス出荷台数に占める法人向け比率は6.8%の233万台。法人比率は確実に増加を続け、2014年度に10%を突破、2016年度には12.9%に拡大する見込みだ。
■ ドコモ版iPhoneがもし発売された場合の購入検討者は、27%から24%に減少。
右肩上がりに拡大するスマートデバイスの市場だが、では、現在発売されていないスマートデバイスの中で、ユーザーが求めているものは何なのか。ICT総研では、1,000人のモニターに対し、アンケートを実施した。その結果、最も支持を集めたのは、NTTドコモ版iPhone。 「発売日に購入する」、「発売後に評判を見て購入を検討する」、「時期は明確でないが、購入を検討する」の合計が24.0%に達した。これに続くのが、NTTドコモ版iPad(購入検討率17.1%)、スマホとタブレットの中間サイズの端末(同16.8%)、腕時計型スマートフォン(同12.4%)となった。ただし、当社が前年に実施した同じ調査に比べると、ドコモ版iPhone(前年は購入検討率27%)、ドコモ版iPad(前年は25.5%)ともに、ポイントが減少した。両端末を渇望していたNTTドコモユーザーが、待ち切れずに他端末を購入した可能性も考えられる。現時点でNTTドコモからはiPhoneやiPadの発売に対して現実的な話は聞こえてこないが、今後の対応に引き続き注視していきたい。
【本資料の調査結果・推計データについて】
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。また、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。