2013年度 法人向けタブレット端末の市場予測

データ販売無し

■ 2012年度の法人向けタブレット端末出荷は79万台。2015年度には2.2倍に。
■ 大企業向けが4割を占めるが、今後は中小企業向けが法人市場の伸びを牽引。
■ 法人向けの伸びが、2013年度以降のタブレット端末市場全体の拡大の原動力に。
■ 法人の所有台数ベースのOS構成比は、iOSのシェアが69%と高い。

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は8月6日、法人向けタブレット端末の市場予測をまとめた。

■ 2012年度の法人向けタブレット端末出荷は79万台。2015年度には2.2倍に。

 2012年度の国内の法人向けタブレット端末の出荷台数は、前年の1.8倍の79万台となった。個人向けに比べて普及が遅れたが、徐々に普及が加速している。2013年度以降も前年比120%から140%程度の拡大を続け、2015年度には175万台にまで拡大する見込み(2011年度比3.9倍)。ここに含まれていないBYOD(Bring Your Own Device)分の台数を加えると、法人で実質的に利用されているタブレット端末は、2012年度でも100万台は優に超えるものと見られる。

■ 大企業向けが4割を占めるが、今後は中小企業向けが法人市場の伸びを牽引。

 11,000件のアンケート結果を元に、企業規模別の台数を推計してみると、2012年度は中小企業向け(社員数1~99人)が16万台、中堅企業向け(社員数100~999人)が31万台、大企業向け(社員数1,000人以上)が32万台となった。構成比で見ると、中小企業向け20.3%、中堅企業向け39.2%、大企業向け40.5%となる。企業規模が大きい企業への導入が現状では進んでいることが読み取れる。
 2013年度以降は、現在導入が遅れている中小企業向けが拡大し、中小企業向けの伸びが法人向けタブレット端末市場全体を牽引。これにより、2015年度の企業規模別構成比は、中小企業向け25.1%、中堅企業向け39.4%、大企業向け35.4%に変化するもの見込まれる。


■ 法人向けの伸びが、2013年度以降のタブレット端末市場全体の拡大の原動力に。

 国内のタブレット端末市場全体を個人向けと法人向けに分類して見てみると、2012年度は出荷台数全体 489万台のうち、個人向け410万台(構成比83.8%)、法人向け79万台(構成比16.2%)と分けられる。2013年度以降も出荷台数全体は右肩上がりの成長を続けるが、伸び率で見ると法人向けの伸びが個人向けを常に上回り、法人向けの伸びがタブレット端末市場全体の拡大の原動力になっていく。2015年度には出荷台数全体 895万台のうち、個人向け720万台(構成比80.4%)、法人向け175万台(構成比19.6%)となる見込み。

■ 法人の所有台数ベースのOS構成比は、iOSのシェアが69%と高い。

 11,000件のアンケート結果から、法人が現在所有しているタブレット端末について質問したところ、OSの構成比はiOS 69.4%、Android 25.0%という結果となった。2012年度のタブレット端末全体の出荷台数シェア(2013年4月25日発表の弊社リリース iOS 53.2%、Android 39.7%)と比較してもiOSのシェアは高い。先行して導入した企業が、まずはiPadから導入を始めたことが大きな要因だろう。特に建設・土木、通信・IT関連などの業種でiPadのシェアが高い。

 個人向けに比べて導入が遅れていたタブレット端末の法人への導入が、ここに来て加速している要因は、初期コストや通信料金の高さ、ウィルスやデータ紛失・情報漏洩などのセキュリティ面への不安と言った導入障壁の解消が進んでいることが大きい。法人でもノートPCからの置き換えの傾向も見られてきているなど、タブレット端末の市場動向を読み解くにあたり、カギとなる法人市場への注視は今後も欠かせない。


【本資料における用語の定義】
* タブレット端末: タッチスクリーン入力の可能な6〜11インチ程度のディスプレイを備えたスレート型情報通信端末。アプリ等の利用が出来ない電子書籍専用端末は含まない。

【本資料の調査結果・推計データについて】
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。また、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。

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