2013年10月 待ち合わせ場所100地点 iPhone5c電波状況実測調査

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■ 下り速度トップはソフトバンク。今回調査唯一の平均20Mbps超え。
■ ソフトバンクは下り21.91Mbps、上り11.02Mbpsともにトップと安定。
■ auは上り11.01Mbpsでトップに肉薄も、下りは18.79Mpbsと次点に。
■ NTTドコモは下り16.20Mbps、上り4.98Mbps。ともに3位という結果に。
■ LTEエリアは、ソフトバンク、auともに100%。ドコモ99%と差が付かず。

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は10月10日、待ち合わせ場所100地点 iPhone5c電波状況実測調査の結果をまとめた。当社では定期的に、さまざまなシーンでスマートフォンの通信速度調査、つながりやすさ調査を実施してきたが、今回の調査はNTTドコモ参入により、ついに3キャリア出揃った新iPhone ( iPhone5c )での電波状況比較を目的とした。スマートフォンのトラフィックが密集する地点を選定すべく、東京都内の主要な「待ち合わせ場所」100地点※を測定地点とし、この100地点での、LTEエリア比率、データ通信速度の実態を調査した。
 調査手法は、通信速度測定アプリ「RBB TODAY スピードテスト」を利用して、1地点あたり下り通信速度、上り通信速度を各3回ずつ測定し、その平均値を採用する形を採った。調査期間は9月20日から10月4日まで。測定の際は、実効速度の上限を調べることを意識したため、繁忙時間帯(7~9時、12~13時、17~20時)を除いた。これにより、地点ごとの現実的な実効速度のベストエフォート値を示せたと考えられる。

■ 下り速度トップはソフトバンク。今回調査唯一の平均20Mbps超え。

 実測の結果、下り通信速度(ダウンロード速度)で1位となったのはソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)であった。下り通信速度 21.91Mbpsと、今回の調査で唯一の20Mbps超えを果たした。次点は18.79Mbpsを記録したau、NTTドコモは16.20Mbpsで3位となった。

■ ソフトバンクは下り21.91Mbps、上り11.02Mbpsともにトップと安定。

 ソフトバンクは、下り通信速度に加えて、上り通信速度(アップロード速度)でも、11.02Mbpsで3社中トップの結果を残した。山手線の外側のエリアの方が、内側のエリアよりも通信速度が速い傾向は見られるが、いずれも安定した速さを見せた。LTEカバー比率でも、今回調査地点とした100地点でLTE受信率100%と申し分ない。
ソフトバンクは、ともに5MHz幅であった2.1GHz帯と1.7GHz帯のLTE網を、それぞれ10MHz幅に倍増させることで、通信速度を倍速化させる「倍速ダブルLTE」化を新iPhone発売の9月20日に間に合わせてきた。これが奏功したと見られる。同社では、プラチナバンド帯(900MHz帯)のLTE化を来春開始予定。

■ auは上り11.01Mbpsでトップに肉薄も、下りは18.79Mpbsと次点に。

 auは、下り通信速度 18.79Mbps、上り通信速度 11.01Mbpsと、十分に安定した速度を見せたものの、ともに次点という結果となった。とくに上り通信速度については、トップのソフトバンクに肉薄している。
auは、前機種のiPhone5では2.1GHz帯のLTE網しか使えず、LTEカバーに課題があるとされてきたが、新iPhoneでは同社のメインバンドであるプラチナバンド帯(800MHz帯)のLTE網に対応。「800MHz帯LTEの全国実人口カバー率は現時点で97%」と同社は公表しており、今回の調査でも、iPhone5に比べて大きく電波状況の改善されたことが確認できた。同社ではこれを2013年度末までに99%に拡大することを目指している。

■ NTTドコモは下り16.20Mbps、上り4.98Mbps。ともに3位という結果に。

 一部のNTTドコモユーザーに待望されたNTTドコモ版・新iPhoneだが、下り通信速度 16.20Mbps、上り通信速度 4.98Mbpsと、ともに3社中3位という結果に終わった。弊社の過去のさまざまな電波実測調査と比べても、確実に平均の通信速度が改善していることは実感できたが、今回の調査でも、ソフトバンク、auの実測結果を下回った。
2013年9月末時点のXi契約数が1,639万件と急増しており、人口密集地で回線混雑が起きていることが原因であると考えられる。同社は2013年10月より、これまで主に3G用に活用されてきた1.7GHz帯で、20MHz幅を使ったLTEサービスを本格化する計画を立てているなど、都心部での高速化・トラフィック対策をさらに前進させる予定。

■ LTEエリアは、ソフトバンク、auともに100%。ドコモ99%と差が付かず。

 新iPhoneでのLTEエリアカバー率は、ソフトバンク、auがともに100%。NTTドコモが99%と差が付かなかった。今回の調査対象地点は、都心部の中でもスマートフォンを利用する機会の多い場所だと考えられるだけに、各社ともエリアカバーにぬかりはない様子。

 今回、NTTドコモから初めてiPhoneが発売され、auはiPhoneとして初めてプラチナバンド帯(800MHz帯)のLTE網に対応し、ソフトバンクモバイルはネットワークの「倍速ダブルLTE」化で対抗する構図となった。全く同じスマートフォン端末を3大携帯電話キャリアが取り扱うことになり、差別化要素としてネットワークインフラの部分が今まで以上に注目されてきている。今回の調査でも、各携帯電話キャリアの日々のネットワーク増強の取り組みの成果は大いに実感できた。
 もちろん、今回の調査結果(東京都内100地点での実測結果)をもって、全国のLTEエリアや通信速度の優劣を論じるつもりはないが、携帯電話キャリアが重視すべき人口密集地での実測結果であるという意味では、参考にしてもらえる調査データだと考えている。
 ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。


※ 待ち合わせ場所の選定にあたっては、「ココ待ち」(http://www.553110.info/)等を参考にした。
* 本資料における全ての文章、数値、表、データは、調査実施時点のものである。
* ソフトバンクのiPhone5c端末上で「4G」と表示されるものを、本稿では「LTE」と表現した。





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