2016年3月 北海道新幹線 スマートフォン通信速度実測調査

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  • ■ 大手3社の下り速度は37~39Mbpsと高水準。MVNOのOCNモバイルONEとは大きな差。
  • ■ 大手3社の下り平均38Mbpsは、前年開業した北陸新幹線の同32Mbpsと比べ、さらに高速に。
  • ■ NTTドコモは50Mbps以上も最多だが、10Mbps以下も3社中最多と地点ごとの速度差が顕著。

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は3月28日、北海道新幹線 スマートフォン通信速度実測調査の結果をまとめた。当社では、定期的にさまざまなシーンでスマートフォンの通信速度、つながりやすさの調査を実施してきたが、今回の調査では、3月26日に新青森~新函館北斗間が新規開業して注目を集める「北海道新幹線」でのスマートフォンの通信速度を測定して、実効速度を把握することを目的とした。
 測定地点は、新青森駅から新函館北斗駅までの全4駅8地点(各駅の下り線方面ホームと上り線方面ホーム)。NTTドコモ、au (KDDI)、ソフバンクの大手3社に加え、MVNO格安SIMでトップシェアのOCNモバイルONEを対象事業者とし、各社のデータ通信速度(スループット)の実態を調査した。測定端末はiPhone6s。速度計測アプリ「RBB TODAY スピードテスト」を利用して、1地点あたり下り通信速度、上り通信速度を各3回ずつ測定した。調査期間は3月26日と27日。

■ 大手3社の下り速度は37~39Mbpsと高水準。MVNOのOCNモバイルONEとは大きな差。

 調査の結果、測定した全ての地点において、4社全てが高速通信「LTE」もしくは「4G」の電波を受信できた。エリアカバーという意味で、各社とも十分に対策されている様子が分かる。ホームページやSNS、動画を閲覧する際には、下り通信速度(ダウンロード速度)が重要となる。その下り速度は大手3社の拮抗した争いとなり、NTTドコモが平均37.1Mbps、auが平均38.6Mbps、ソフトバンクが平均38.4Mbpsと、各社とも非常に高水準な結果を記録した。
 一方で、MVNO格安SIMのOCNモバイルONEは、下り平均3.1Mbpsとなり、大手3社に大きく離された。当社が2015年12月に実施した「MVNO格安SIM 新幹線通信速度実測調査」にて、東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線で実測した際には、OCNモバイルONEは下り平均11.6Mbpsを記録していたが、それと比べても非常に遅い結果である。同社はNTTドコモのネットワーク網を利用しているが、実効速度で見るとNTTドコモと大きな差が存在している。

■ 大手3社の下り平均38Mbpsは、前年開業した北陸新幹線の同32Mbpsと比べ、さらに高速に。

 今回の調査における大手3社の下り速度平均は38.1Mbps。1年前に北陸新幹線が金沢まで開業したことを受けて、当社が実施した「北陸新幹線 スマートフォン電波状況実測調査」の際には、同31.9Mbpsであり、平均値が約6Mbps増加。大手3社は各社とも、より快適に利用できるようになっている。
 今回の調査期間中に函館駅前にて、「北海道新幹線の各駅が『PREMIUM 4G』(受信時最大300MbpsのLTEネットワーク)のカバーエリアである」旨のPR資料をNTTドコモが配布していた。このように、北海道新幹線駅の開業に向けて各社が高速なLTEネットワークを準備した結果が、この数値に表れていると言える。

■ NTTドコモは50Mbps以上も最多だが、10Mbps以下も3社中最多と地点ごとの速度差が顕著。

 下り通信速度の速度分布を見てみると、NTTドコモは50Mbps以上の地点が3地点と最多だが、10Mbps台の地点も3地点と大手3社中最多であり、高速な地点と低速な地点に二分された。一方、auは50Mbps以上の地点は1地点のみだが、10Mbps台以下の地点が1地点もなく、地点ごとの速度差が小さい結果となった。ソフトバンクも、どちらかと言えばauに近い速度分布となる。
 また、上り通信速度(アップロード速度)については、NTTドコモが平均8.6Mbps、auが平均9.5Mbps、ソフトバンクが平均10.6Mbpsとなり、こちらも3社に大きな差は見られなかった。OCNモバイルONEは平均6.5Mbps。下り通信速度とは異なり、大手3社に近い実効速度水準となった。上り通信速度はSNSなどに写真などのデータをアップロードする際に重要となるが、OCNモバイルONEも含めて、各社とも実用面で大きな差はなさそうだ。

 今回の調査は、北海道新幹線の開業日当日と翌日に実施した。各駅で盛大な開業イベントが催されていたため、平常時と比べると回線が混雑している状態にあった可能性もある。だが、逆に回線混雑状況下にあっても、この水準の実効速度を記録できるとも言える。
 ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。

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調査した全4駅8地点における下り・上りそれぞれ3回ずつの測定結果の詳細、測定日時を掲載しています。

2016年3月 北海道新幹線 スマートフォン通信速度実測調査

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