2018年5月 公衆無線LAN通信速度実測調査

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  • ■ キャリア3社平均下り19.7Mbpsに対し、キャリア以外は平均36.3Mbpsと大きな差。
  • ■ 繁忙時間帯でも、全事業者平均で閑散時間帯の96.7%の下り速度を記録。
  • ■ セブンスポットが閑散時 下り61.0Mbps、繁忙時 下り58.6Mbpsと群を抜く速度を記録。
  • ■ 上り速度も、キャリア3社よりもキャリア以外が速いという傾向は下り速度と変わらない。

 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は5月22日、公衆無線LANサービス(公衆Wi-Fiサービス)の通信速度実測調査の結果をまとめた。公衆無線LANサービスは、携帯電話キャリア3社のスマートフォンのデータオフロードや訪日外国人向けのインフラとして一定の存在感を見せているが、今回の調査は公衆無線LANサービスの事業者ごとの通信速度の実態を把握することを目的とした。
 調査対象は、過去に当社アンケート調査でユーザーの利用率が高かったNTTドコモの「0001docomo」、au(KDDI)の「au_Wi-Fi2」、ソフトバンクの「002softbank」、セブン&アイの「セブンスポット」(7SPOT)、スターバックスの「at_STARBUCKS_Wi2」、羽田空港の「HANEDA-FREE-WIFI」の6種類のアクセスポイントとした。測定端末はiPhone 7とし、各アクセスポイントで閑散時間帯と繁忙時間帯それぞれ10地点ずつ、1地点あたり速度測定アプリ「RBB SPEED TEST」と「Googleスピードテスト」にて、それぞれ3回ずつ測定した。測定エリアは東京都内の大手町、丸の内、神田、御茶ノ水、秋葉原(ただし「HANEDA-FREE-WIFI」については羽田空港で測定)。調査期間は5月2日から11日まで。 
 

■ キャリア3社平均下り19.7Mbpsに対し、キャリア以外は平均36.3Mbpsと大きな差。

 調査の結果、携帯電話キャリア3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の下り速度が平均 19.7Mbps (RBB 22.2Mbps、Google 17.2Mbps)だったのに対し、キャリア以外(セブンスポット、at_STARBUCKS_Wi2、HANEDA-FREE-WIFI)は平均 36.3Mbps (RBB 39.8Mbps、Google 32.9Mbps)と、大きな差を見せた。
 特に「セブンスポット」は下り速度平均 59.8Mbps (RBB 59.9Mbps、Google 59.7Mbps)と、他を圧倒する速度を記録した。「HANEDA-FREE-WIFI」は、RBBでは下り平均35.7Mbpsを記録するも、Googleでは平均19.4Mbpsという結果となった。また、携帯電話キャリア3社の中では、「au_Wi-Fi2」の下り速度が他2社を上回った。

■ 繁忙時間帯でも、全事業者平均で閑散時間帯の96.7%の下り速度を記録。

 繁忙時間帯(11時半~13時半)と閑散時間帯(9時半~11時半、13時半~16時半)の速度差を比較すると、携帯電話キャリア3社は繁忙時間帯の下り速度が閑散時間帯の92.8%、キャリア以外は繁忙時間帯の下り速度が閑散時間帯の101.9%となった。全事業者平均でも繁忙時間帯の下り速度は閑散時間帯の96.7%と、繁忙時間帯の速度遅延はほとんど見られなかった。
 携帯電話キャリアのLTE回線では、特にMVNO事業者を中心に繁忙時間帯の速度低下が著しい状況が見られるが、公衆無線LANサービスについては、その状況はあまり起きていない様子。

■ セブンスポットが閑散時 下り61.0Mbps、繁忙時 下り58.6Mbpsと群を抜く速度を記録。

 中でも、「セブンスポット」は、閑散時間帯の下り平均 61.0Mbpsに対し、繁忙時間帯も 58.6Mbpsと、いずれも群を抜く速度を記録した。また、「at_STARBUCKS_Wi2」は閑散時間帯の下り平均 20.1Mbpsに対し、繁忙時間帯は23.0Mbpsと、繁忙時間帯の方が速いという逆転現象を見せている。

■ 上り速度も、キャリア3社よりもキャリア以外が速いという傾向は下り速度と変わらない。

 上り通信速度で見ても、携帯電話キャリア3社よりもキャリア以外が速いという全体的な傾向は変わらないが、携帯電話キャリア3社の平均は下り19.7Mbpsに対して上りは22.9Mbpsと、若干速い結果となった。

 調査地点数が多いわけではないが、携帯電話キャリア3社の公衆無線LANサービスは通信速度という点で必ずしも優勢ではないという点が、今回の調査から言えるだろう。もちろん、携帯電話キャリア3社は圧倒的なアクセスポイント数がある点で利用者ニーズに応えている側面はあることは間違いないが、その品質面(通信速度面)でも、今後の改善に期待したい。
  ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。
 
 

  
  
* 本文中の「MVNO」は、仮想移動体通信事業者を指す。
* 本資料における全ての文章、数値、表、データは、調査実施時点のものである。
* 通信速度は、同じ地点であっても、測定日時や天気、測定端末の向き・高さ、ネットワークの混雑状況
などにより、大きく変動するものであり、注意されたい。
* 本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等
に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。
  
  

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各測定地点での測定日時、測定場所詳細、測定結果のロウデータです。
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