【業界トピックス】AIで地域課題を解決。調布市でごみ収集DX実証実験

AIで地域課題を解決。調布市でごみ収集DX実証実験

 Borzoi AI株式会社は、電気通信大学と連携し、東京都調布市と共同で「AI収集ナビ」の実証実験を2025年7月から開始した。調布市内のごみ収集車両にAI収集ナビを搭載し、収集業務の効率化や市民対応力の向上を目指す。AI収集ナビは、ごみ収集現場のリアルタイムな状況把握と情報共有を可能にするシステムで、自治体現場での初導入・初検証の取り組みとなる。

従来のごみ収集業務は、収集車の現在地や進捗状況の即時確認手段が乏しく、トラブルや遅延時の対応が遅れるなど課題があった。さらに、ルート管理や記録業務が紙や口頭に依存しがちで、業務の属人化が進みやすかった。しかし、AI収集ナビの導入により、地図ベースのウェブ管理画面から全車両の位置情報や走行履歴をリアルタイムで把握し、トラブル時に写真付き報告を瞬時に共有できる。加えて、住民からの「まだ回収されていない」といった問い合わせにも即座に対応できるようになる。

管理者向けモニタリング画面

実証実験は2026年3月まで続く予定で、可燃ごみ・不燃ごみ収集車両を対象とする。主な検証項目は以下の通り。
・収集車両のリアルタイム位置情報・走行履歴の取得・分析
・写真付き報告による現場状況の把握
・遅延やイレギュラー対応を迅速化するワークフローの有効性検証
・収集車向けアプリの操作性や情報共有機能の有効性の検証

導入により、管理者は業務の進捗状況をリアルタイムで把握できるようになり、迅速な判断を下せる体制が整うほか、市民からの問い合わせへの対応の質も向上が期待されている。また、収集漏れへの対応にかかる負担の軽減が見込まれるほか、収集ルートの最適化により燃料消費や作業負担の削減も期待される。不法投棄が発生した際には即座に対応できる体制が強化されることで、ごみ収集業務の効率化と市民サービスの質の向上が図られる見通しだ。

「AI収集ナビ」サービスサイト:https://aigominavi.com/garbage-truck

https://denpanews.jp/

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