【業界トピックス】フレッツ光メタル回線から光・モバイルへ段階的移行

フレッツ光が固定電話移行 メタル回線から光・モバイルへ段階的移行

 NTT東日本は、固定電話サービスの基盤であるメタル設備を利用した加入電話について、利用減少と設備老朽化により2035年頃までにサービスレベルの維持が難しくなると発表した。これに伴い、同社は「フレッツ光」など光回線やモバイル回線を活用した代替サービスへの段階的移行を進め、利用者が安心して固定電話サービスを使い続けられる環境を整える方針を示しているのようだ。光ブロードバンドやモバイルサービスの普及・拡大を背景に、既存のメタル回線を使った加入電話は縮小が避けられない状況にあり、NTT東日本はお客様の要望に応じて光ブロードバンドサービスを積極的に提供することで、ブロードバンド普及のさらなる拡大を図ると言える。移行に際しては工事費など初期費用の無料化や十分な周知期間の確保など、顧客負担を極力軽減する取り組みが行われるのようだ。

代替サービスとしては、「光回線電話」「ワイヤレス固定電話」「ひかり電話」(いずれもIP電話サービス)が提供される予定だ。光回線電話は2025年10月1日より全国の「フレッツ光」提供エリアで提供開始予定であり、ワイヤレス固定電話は準備が整い次第、全国提供が計画されている。ひかり電話にはA(エース)、オフィスタイプ、ネクストなど複数のプランがあり、フレッツ光などとの契約が別途必要となる。さらに、モバイル網を使った固定電話サービスについても今後制度検討状況を踏まえ、モバイル事業者からの提供が検討されていると言える。移行には利用者からの申し込みや工事が必要であり、2025年10月1日以降は加入電話から光回線電話・ワイヤレス固定電話への移行にかかる初期費用(契約料+標準工事費22,880円、フレッツ光+ひかり電話併用の場合は26,180円)が無料となるのとのこと。これは加入電話を解約・休止する利用者や利用休止中の利用者が対象であり、その他の代替サービスや光ブロードバンドへの移行費用無料化については準備が整い次第案内されると言える。

 移行ステップは、利用者の新規・移転申し込みや問い合わせ、故障対応などの接点をとらえて代替サービスを提案する方法で進められるのようだ。法人顧客に対しては端末更改のタイミングなど利用状況に応じた提案が行われる。すでに老朽化が進む一部エリアや、被災や電柱移転などでメタル設備再敷設が必要な地域では先行的に移行対応が実施され、その対応状況を踏まえてエリア単位で段階的なサービス終了計画が公表・周知されると言える。消費者保護の観点から、便乗詐欺被害への注意喚起など多様な手段で警告が行われるのようだ。特に、代替サービスでも現在利用中の電話機は基本的にそのまま利用可能だが、ISDN対応機器やG4FAXなど一部機器や機能は使えない場合があるため、重要な機能がある場合は事前にメーカーに確認することが推奨されると言える。エリア単位のサービス終了時期はNTT東日本から書面などで案内され、不審な場合は同社への問い合わせが呼びかけられているのようだ。

 今回の移行計画は、従来型固定電話サービスの継続利用が難しくなる中、光回線・モバイル回線への円滑な移行を促進するものだと言える。工事費無料化や段階的な周知、電話機そのまま利用可能といった対応は、長年加入電話を利用してきたユーザーにとって安心材料となるのようだ。NTT東日本は「フレッツ光」や光回線電話など代替サービスの提供を通じて固定電話の持続的な利用環境を確保しつつ、ブロードバンドのさらなる普及拡大を推進していく方針を示しており、日本の通信インフラの移行期における重要なステップになると言える。

参考URL:https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20250929_01.html

https://denpanews.jp/

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