【業界トピックス】KDDI、能登でAIドローン遠隔運航を実証。災害・点検対応へ常設

KDDI、能登でAIドローン遠隔運航を実証。災害・点検対応へ常設

KDDIとKDDIスマートドローンは、石川県能登地域の4カ所にAIドローンを常設し、遠隔運航の実証に成功した。AIによる自律飛行と自動充電ポートを備えたドローンポートを組み合わせ、東京および北海道から離れた場所にある4機を同時に操作。災害対応やインフラ点検など、平時・有事を問わず運用できる仕組みを検証した。

実証は2025年10月15日に実施され、輪島市と七尾市の公共施設4拠点に設置された「Skydio X10」と「Skydio Dock for X10」を活用。KDDI高輪本社(東京都港区)とKDDIスマートドローンアカデミー新十津川校(北海道樺戸郡)から遠隔操作を行い、遅延のない運航を確認した。

平時シナリオでは、東京からの遠隔運航により中屋トンネル付近の3Dモデリング空撮と能登島大橋の点検を実施。現地に人員を派遣せず、AIドローンの自律飛行でデータ取得を行った。
有事シナリオでは、地震による和倉温泉の護岸崩壊や輪島市沿岸の津波警報を想定。複数機の緊急出動を行い、被災状況の撮影と確認を行った。東京からの運航が難しい状況を想定し、北海道拠点からの代替運航も成功させた。

自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」

KDDIは、深刻化する労働力不足や老朽インフラ、災害増加といった社会課題の解決に向けてドローン活用を推進している。2024年には米Skydio社と資本業務提携を締結し、AIドローン技術の国内導入と運用支援を強化。全国1,000カ所に常設し、平常時・緊急時を区別せず運用できる“フェーズフリー”なドローン基盤の構築を目指す。

今回の取り組みは、石川県とKDDIが結んだ包括連携協定に基づくものでもある。能登半島地震からの創造的復興を支援し、災害時に迅速な情報収集を可能にする地域防災拠点の形成を進める。KDDIは今後も、AIドローンを災害対応と地域活性化の両輪で活用し、安全で強靭な社会インフラの実現を目指すとしている。

KDDIリリース:https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-785_4162.html

https://denpanews.jp/

この記事をSNSシェア

REPORT
関連レポート