【業界トピックス】オプテージがau回線の音声フルMVNO参入、27年度開始へ

オプテージがau回線の音声フルMVNO参入、27年度開始へ

 株式会社オプテージは2026年1月27日に、携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」において、国内初となるauとのデータ通信・音声およびSMS通信に対応したフルMVNO事業に参入すると発表した。この事業の開始時期は2027年度の下期を予定している。今回の参入により、同社はデータ通信だけにとどまらず、音声やSMS通信についても自社設備を用いて提供し、電話番号の管理やSIMカードの自社発行を行う「音声フルMVNO事業者」へと進化を遂げる。これまでは通信大手(MNO)から設備を借り受けてサービスを構築する「ライトMVNO」の形態が一般的であったが、音声フルMVNOとなることでサービス設計の自由度が大幅に向上する。同社はこの取り組みを、将来的なマルチキャリアによる音声フルMVNO事業の展開に向けた重要な第一歩と位置づけている。
 これまでmineoを含む多くのMVNO事業者は、通信サービスの中核となる設備の大部分をMNOから借り受ける形で運営されてきた。mineoは2014年のサービス開始以来、ユーザー同士でパケットを分け合う独自の仕組みを導入するなど、ライトMVNOという枠組みの中でも創意工夫を凝らしたサービスを展開してきた実績がある。特にデータ通信領域においては、多様な顧客ニーズに応える柔軟な設計を行い、ユーザーと共にサービスを育てる姿勢を貫いてきた。しかし、音声通信やSMSに関しては制約が多く、独自のサービスを打ち出すことが難しい側面があった。今回の音声フルMVNO事業への参入により、加入者管理装置やデータ交換機、音声・SMS交換機を自ら保有することになる。これにより、これまでMNO側が担っていた回線の開通作業やMNP(番号持ち運び制度)の手続きも自社でコントロールできるようになり、データ通信と音声通信を一体化させた自由度の高い通信体験の創出が可能になるという。

 音声フルMVNO化によって実現する具体的なサービス内容は多岐にわたる。まず、個々の利用スタイルに最適化した通話プランや「かけ放題メニュー」など、顧客の声を反映した音声サービスの提供が可能になる。SIMカードの発行や管理も自社で行うため、eSIMを含む多様なSIMラインアップの展開や、海外ローミングサービスの拡充、さらには法人向けのIoT需要に対応する付加価値の高い通信サービスの提供も可能になる。特に法人向けでは、独自のサービス開発を通じて競争力を強化する方針だ。mineoは「Fun with Fans!」というブランドステートメントのもと、通信の基幹機能を自ら制御することで、これまで以上に顧客一人ひとりのニーズに寄り添った付加価値の提供を目指す。

 また、このフルMVNO化は、単なる機能拡張にとどまらず、市場における競争環境そのものを大きく変える可能性を秘めている。自社でSIMを発行できることは、物理的なカードだけでなく、デジタル上で完結するeSIMの即時発行など、ユーザーの利便性を飛躍的に高めることにつながる。海外利用においても、従来のローミングサービスと比較して、より安価で使い勝手の良いプランの提供が期待される。さらに、法人市場においては、多数のデバイスを一括管理する必要があるIoT分野で、独自のIPアドレス割り当てや通信制御を組み合わせた特化型ソリューションの展開が可能になる。これは、従来のライトMVNOでは技術的に困難であった領域であり、オプテージが通信のプラットフォーマーとして新たな立ち位置を確立することを意味している。今回のauとの提携を皮切りに、将来的にはドコモやソフトバンクといった他キャリアとの間でも同様の音声フルMVNO展開を実現し、真のマルチキャリア対応を目指す構えだ。

 さらに同社は、今回の発表に合わせ、法人向けサービスのブランドを「mineo BiZ」として再定義することを明らかにしている。この新ブランドでは、異業種企業のモバイル事業参入を支援する「MVNO Operation Kit」を2026年度下期から提供する予定であるという。これは、通信事業を本業としない企業が自社の顧客基盤を活かしてモバイルサービスを展開できるよう、オプテージが培ってきたノウハウや基盤を提供するものである。個人向けサービスで培った「共創」の姿勢を法人や社会全体へと拡張し、通信の力で新しい価値を創出する存在を目指す方針である。既存のMVNOという枠組みを超え、通信の中核を自社でコントロールする「フルMVNO」としての技術力と、異業種を支えるビジネス支援の両輪によって、オプテージは次世代の通信市場における主導権を握ろうとしている。今後の展開が業界全体に与える影響は非常に大きいといえる。
将来的に複数のキャリアで音声フルMVNOを展開することを見据えた今回のauとの連携は、モバイル通信業界における新たなマイルストーンとなる。

参考URL:https://optage.co.jp/press/2026/press_4.html

https://denpanews.jp/

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