【業界トピックス】自治体連携モバイル「たのしむらやまモバイル」東村山で始動へ

自治体連携モバイル「たのしむらやまモバイル」東村山で始動へ

 エックスモバイル株式会社は2026年2月5日、東京都東村山市およびエネックス株式会社と連携し、全国初と位置づける自治体連携型モバイルサービス「たのしむらやまモバイル」を提供すると発表した。提供開始は年3月を予定し、それに先立ち2月10日から先行申込を受け付ける。通信事業者と自治体、地域企業が一体となって料金負担の軽減とデジタル支援を組み合わせる点が特徴で、高齢者を含む住民のデジタルデバイド解消を主な狙いとする。

東村山発の自治体連携モデル
たのしむらやまモバイルは、独立系MVNOであるエックスモバイルが通信サービスを提供し、東村山市とエネックスが地域での周知・支援を担うスキームとなる。自治体と民間事業者が協定を結び、モバイルサービスそのものと、契約や各種手続きに関わる支援を一体的に提供する点が「全国初の自治体連携型モバイルモデル」として位置づけられている。市役所や地域拠点で住民の相談対応や使い方支援を行うことで、「契約したものの使いこなせない」という従来の課題の軽減を図る。

料金プランは4段階、Wi-Fiサービスも用意
SIM通信サービスは、3GB(月額880円・税込968円)、5GB(月額1,180円・税込1,298円)、10GB(月額1,580円・税込1,738円)、20GB(月額1,980円・税込2,178円)の4段階で用意。データ使用量に応じて選択できる料金体系となっている。

また、Wi-Fi通信サービスとして「たのしむらやまモバイルWiFi」を月額3,800円(税込4,180円)で提供。月間990GBの大容量データ通信が可能だ。

音声通話向けには3段階の「かけたい放題」オプションを設定。
ミニは「何度でも5分かけ放題」で月額500円(税込550円)、
ライトは「何度でも10分かけ放題」で月額850円(税込935円)、
フルは時間無制限のかけ放題で月額1,500円(税込1,650円)とし、
通話ニーズに応じた選択が可能だ。

サポート面では、「使い方安心サポート」を月額800円(税込880円)で提供。電話や対面での基本操作の支援に加え、市が提供する各種アプリやサービスの利用方法までカバーする内容となっており、スマートフォン操作に不慣れな高齢者やデジタル初心者を主な対象とした設計といえる。

デジタルデバイド解消と地域アプリ普及を狙う
東村山市との連携協定では、「サービスおよび関連手続きの支援を通じてデジタルデバイドを解消し、市民の生活の質を向上させること」が目的として掲げられる。具体的には、スマートフォン通信サービスの企画検討、高齢者などデジタル機器に不慣れな市民への機器・アプリ利活用の促進、地域ポータルや決済アプリの普及、スマートフォン活用を通じた情報リテラシー向上といった項目が連携内容として明記されている。​

なかでも、「たのしむらやまポータル」や「東村山アインPay」など東村山市が推奨するアプリの普及促進を掲げている点は、地域DX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で重要な意味を持つ。住民が日常的に利用する通信インフラと、行政情報やキャッシュレス決済などの地域サービスをセットで広げることで、単なる「安い回線」以上の価値を持つモバイルサービスを目指す構図だ。

MVNOと自治体の協働が持つ意味
エックスモバイルは2013年設立の独立系MVNOで、格安SIM黎明期から独自性の高いコラボレーション型サービスを展開してきた事業者だ。自治体や教育機関との連携を通じて通信格差の是正に取り組んできた経緯があり、今回の取り組みもその延長線上に位置付けられる。MVNOは大手キャリアと比べて料金設計の柔軟性や企画スピードに強みがあり、地域の課題や自治体の要望を反映した「ご当地型」サービスを作りやすい立ち位置にある。

一方で、全国に店舗網を持たないMVNOは、対面サポートや高齢者対応の面で弱みを抱えがちだ。今回のスキームでは、市役所など自治体側の窓口や地域企業が支援の役割を担うことで、その弱点を補いながら地域密着型のサポート体制を構築しようとしている。通信インフラが生活インフラとして不可欠になる中、「料金」「速度」といった指標だけでなく、「相談できる場所があるか」「行政サービスとどうつながるか」といった観点がモバイル選びの新たな軸になる可能性もあるだろう。

東村山モデルは他地域へ波及するか
たのしむらやまモバイルは、東村山での展開を皮切りに「全国初の自治体連携モバイルモデル」として各地への横展開も視野に入れている。少子高齢化やデジタル行政の推進など、多くの自治体が共通の課題を抱えるなか、モバイルサービスを起点に地域アプリやキャッシュレス、オンライン行政手続きまでを一体で普及させる今回の枠組みは、他都市にとってもひとつの参考モデルになり得るかもしれない。​

エックスモバイル:https://xmobile.ne.jp/

https://denpanews.jp/

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