【業界トピックス】スマホ代は衣食住より優先、困窮単身者の6割が通信費を確保

スマホ代は衣食住より優先、困窮単身者の6割が通信費を確保

 通信困窮者支援事業を展開する株式会社アーラリンクが運営する「誰でもスマホリサーチセンター」は2026年4月8日、携帯キャリアの審査に通らず一定期間スマートフォンを持てなかった経験を持つ男女604人を対象とした生活実態調査を発表した。困窮に陥った際、住居や食事よりも通信費の支払いを最優先とする実態が数字で裏付けられ、通信インフラが現代の生活基盤として機能している現状が表れている。

「最後まで払い続けるのはスマホ代」が最多回答

調査では「生活費が厳しくなった場合、最後まで支払いを優先するものはどれか」という設問を設けた。最多回答は「スマホ代(通信費)」で233人。次いで「家賃」が150人、「食費」が118人と続いた。総務省の家計調査(2023年)によれば、単身世帯の月間消費支出における通信費の割合は約4.1%に過ぎない*1が、生活が逼迫した局面では、その「わずか4%」が他の支出より先に守られる対象となっている。

自由記述には「給与が出た時の最初の支払い。食費を日々削っている」「今の時代スマホが命綱。連絡できないと不安になる」といった声が寄せられている。リサーチセンターは、この傾向は娯楽目的の依存ではなく、過去に通信手段を失ったことで社会的に身動きが取れなくなった経験への防衛的な行動だと分析している。

電話番号がないことによる見えない壁
 調査対象者の住居状況を尋ねたところ、最多は「一人暮らし」の358人だった。単身で生活が立ち行かなくなったとき、頼れる家族や知人がいない状況で、通信手段まで失うと社会的孤立が一気に深まる。

「スマホがないことで、行政の支援や窓口に相談しようとした際、電話番号がないとして予約・相談を断られた経験がある」と回答したのは235人に上る。就労面でも、「電話番号またはSMS認証がない」として、日雇い・単発アルバイトの応募や採用を断られた経験があると答えた人は、「何度もあった」が150人、「数回あった」が130人となっている。住居の契約、緊急連絡先の登録、急病時の病院への連絡など、日常のあらゆる手続きが「連絡可能な電話番号を持つこと」を前提に設計されており、番号を持てない状態は衣食住を整えるスタートラインにすら立てない矛盾を引き起こしている、と調査では指摘している。

アーラリンクは「誰でもスマホ」サービスを通じ、過去の滞納履歴で大手キャリアの審査に通らない人でも本人確認書類があれば契約できる仕組みを提供しており、就職や社会復帰へと繋がる第一歩をサポートしているとのことだ。

出典:アラ―リンク2026年4月8日「衣食住」より「スマホ」 家賃と食費を削ってでも通信費を払う単身困窮者のリアル
*1 参考:総務省「家計調査(家計収支編)単身世帯 2023年」より算出

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