【業界トピックス】ドコモ調査:タブレット学習で想像力低下に懸念の声

ドコモ調査:タブレット学習で想像力低下に懸念の声

 NTTドコモの調査で、小中学生の家庭学習におけるタブレット活用を79.6%の保護者が「有効」と評価する一方、「記述力や思考力の低下」といった「知育ブレーキ」への懸念が浮上した。また、保護者の約半数が子どもの「想像力・表現力」の低下を感じ、その約47.1%が育成方法を「何をしたらいいかわからない」と回答しており、教育における新たな課題が浮き彫りになった。

調査によると、約半数の保護者が現代の小中学生の「想像力・表現力」が低下していると感じており、将来子どもに身に着けてほしい能力としても、60%以上の保護者が「想像力・表現力」を挙げた。特にタブレット学習においては、「現代におけるテクノロジーを学ぶとともに、そこから新たな経験や発想ができるようになってほしい」といった期待がある一方で、「調べればすぐ分かってしまい、考えることをしなくなるのではないか」という懸念も示され、保護者の大半がこの能力を重視していることがわかる。

しかし、その一方で、「想像力・表現力」を育むための具体的な取り組みをしていると回答した保護者は全体の約25%にとどまり、約75%の保護者が「何をしたらいいかわからないから」という理由で、実際にはその教育を実践できていない現状が浮き彫りになった。

夏休みの過ごし方についても調査が行われ、保護者の悩みで「(子どもが)ゲームや動画ばかりになる」(37.6%)が第1位となり、次いで「生活リズムが乱れがちになる」(35.2%)「家での過ごし方がマンネリ化する」(34.4%)が挙げられた。多くの保護者が夏休み中の自宅での過ごし方に悩みを抱えていることが判明した。一方で、夏休みに子どもにやってほしいこととしては「普段はできない経験をさせたい」(36.0%)といった回答が見られ、夏休みのイベントに重視する要素としては「体験や実験ができる」(36.6%)や「無料で参加できる」(34.6%)が上位を占めた。

保護者のこうした懸念と、子どもの「想像力・表現力」育成への高い関心は、教育技術市場に新たな機会をもたらしていると言えるだろう。タブレット学習の普及に伴い、単なる知識習得だけでなく、「知育ブレーキ」の懸念に対応する思考力・想像力育成コンテンツへのニーズが高まる。教育ソフト開発企業は、双方向性や創造性を促すツールの開発に注力する必要がある。また、無料体験型のサービスや、家庭で実践しやすいカリキュラムの提供が、保護者の需要を捉える鍵となりそうだ。これは、学習デバイスやプラットフォーム提供事業者にも、より教育的価値の高いソリューション開発を促す動きとなるだろう。

ドコモは、タブレット学習の弊害とされる「知育ブレーキ」の懸念を払拭し、保護者が育成に悩む子どもの「想像力・表現力」を育む手段としてデジタル絵画を推奨している。デジタルハリウッド大学名誉教授の南雲治嘉氏は、機能選択や試行錯誤を繰り返せるデジタル絵画が「判断力」「想像力」「創造性」「表現力」を養うと解説する。

具体的な取り組みとして、ドコモは「僕たち私たちの未来のくらし」をテーマに、電子機器で描いた作品も募る創作絵画コンクール「第24回 ドコモ未来ミュージアム」を2025年9月15日まで開催中だ。また、夏休みにゲームや動画に偏りがちな子どものために、iPadを使った無料の「デジタルアート講座」をドコモショップで実施し、創造性を育む機会を提供している。

関連リンク
ドコモ未来ミュージアム:https://docomo-mirai.tda.docomo.ne.jp/museum/

■調査名称:お子様のタブレット使用と想像力育成に関する調査
■調査方法:ネオマーケ
■実施時期:2025年6月19日(木)~6月23日(月)
■調査対象:全国20~69歳の男女500人の小中学生の保護者


https://denpanews.jp/

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