ネットワーク機器の世界市場が拡大加速。技術トレンドが成長を後押し
株式会社グローバルインフォメーションは、ネットワーク機器の世界市場に関する調査レポートを発表した。同社が販売代理するMarket Glass社の調査によれば、同市場は2024年に291億米ドルと推定され、2030年までに413億米ドルに拡大する見通しだ。2024年から2030年の年平均成長率(CAGR)は6.0%と予測されている。
製品セグメント別に見ると、ルータ市場は2030年に252億米ドル規模に達する見込みで、年平均成長率は6.8%と予測されている。一方、ゲートウェイ分野も安定した伸びを示し、年平均成長率5.1%で推移すると分析されている。
地域別では、米国市場が2024年に79億米ドル規模で引き続き存在感を示す。しかし、最も高い成長性を持つのは中国市場とみられており、2030年には85億米ドル規模に拡大する見通しだ。中国の2024年から2030年の年平均成長率は9.6%と予測されている。その他の主要市場では、日本が2.9%、カナダが5.9%、欧州ではドイツが3.9%の成長率で推移する見込みだ。
市場の成長背景としては、複数の技術トレンドが相乗的に影響している。
第一に、クラウドコンピューティングの浸透が、企業のクラウドベースインフラやハイブリッドIT環境への移行を加速させている。これに伴い、拡張性とセキュリティを両立した高度なネットワーク機器への需要が高まっている。
第二に、スマート家電や産業用センサーなど、IoTデバイスの爆発的増加も市場拡大の重要な推進力だ。膨大なデータ量やリアルタイム処理への対応が求められる中、堅牢で高性能なネットワークインフラの導入は不可欠となっている。
セキュリティ面では、サイバー脅威の増加と規制強化が企業の投資判断に影響を与えており、次世代ファイアウォールやSASE(Secure Access Service Edge)、AI活用型セキュリティアプライアンスの需要が拡大している。
また、世界的な5Gの展開により、自律走行車やAR(拡張現実)など超低遅延アプリケーション向けのネットワーク機器需要も一段と高まっている。
さらに、リモートワークの定着やバーチャルコラボレーションツールの利用拡大により、高速かつ安定した接続性を維持できるエンタープライズ向けネットワーキングソリューションの重要性が増している。
こうした環境変化が重なることで、ネットワーク機器市場は持続的な拡大基調を維持すると見られており、同レポートは、技術革新が今後のグローバルなコネクティビティの在り方を大きく左右すると結論づけている。
調査詳細は下記参照
株式会社グローバルインフォメーション「ネットワーク機器の世界市場」
https://denpanews.jp/
