ヤマハ製機器に対応、IIJの遠隔管理サービスがマルチベンダー化を加速
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は2026年1月14日に、ネットワーク機器を遠隔で一元的に制御・管理できる「IIJマルチプロダクトコントローラサービス」において、新たにヤマハ製のネットワーク機器への対応を開始したと発表した。このサービスは、同社の独自技術である「SMF(Service adaptor Management Framework)」を基盤としており、ネットワークに接続される機器の自動設定や一元的な管理を可能にするマネージメントフレームワークだ。これまで、自社開発の高機能ルータである「SEIL(ザイル)」や「SA-W」シリーズに加え、シスコシステムズ社製品やFortinet社の「FortiGate」シリーズなど、国内外の主要なネットワーク機器に対応してきた経緯がある。今回のヤマハ製機器への対応により、国内の法人ネットワーク市場で高いシェアを誇る主要メーカーが揃い、企業のネットワーク運用管理における柔軟性が大幅に向上した。
近年、Microsoft 365やGoogle Workspaceといったクラウドサービスの利用が企業の間で急速に普及したことで、ネットワークの安定稼働と高い可用性の確保は、情報システム部門やネットワーク管理者にとって避けては通れない最重要課題となっている。特に、複数の拠点を展開する企業や、用途に応じて異なるメーカーのネットワーク機器を併用するマルチベンダー環境を構築している企業では、運用管理の複雑化が顕著だ。メーカーごとに異なる管理画面を操作しなければならない現状は、日常的な設定変更のみならず、万が一の障害発生時における原因調査や復旧作業においても、管理者に過度な負担を強いる要因となっていた。このような背景から、メーカーの垣根を越えて一元管理できるソリューションへの需要は年々高まりを見せている。
今回新たに対応が開始されたのは、ヤマハ株式会社が提供する「RTX」シリーズのルータおよび「SWX」シリーズのスイッチだ。これらの製品は、国内の法人向けネットワーク市場において、特にお堅・中小企業のインターネット接続環境やオフィス内のローカルネットワーク構築に広く採用されている。今回の拡充により、管理者は既存のIIJ製品やシスコ、Fortinetの製品と同様に、ヤマハ製機器も同一のコントロールパネルから一括して管理できるようになった。これにより、機器ごとに異なるコマンドを操作したり、個別の管理ツールを使い分けたりする必要がなくなり、ネットワーク運用の効率化が図られる。管理対象機器1台あたりのシステム利用費用が発生する料金体系となっており、機器本体の調達や保守契約を別途継続したまま、管理機能のみを本サービスに統合できる点が特徴だ。

さらに、本サービスの基盤となる「SMF」技術は、機器をネットワークに接続するだけで自動的に設定が流し込まれる「ゼロタッチプロビジョニング」を実現しており、現地での専門的な作業を不要にする。これは、エンジニアの確保が困難な地方拠点や、多数の店舗を展開する小売業などの企業にとって、導入コストと運用工数を大幅に削減する強力なメリットとなる。また、メーカーが混在する環境下でも一貫したポリシーに基づいた監視・制御が可能になるため、セキュリティレベルの均一化も期待できる。昨今のサイバー攻撃の高度化により、迅速なパッチ適用や設定変更が求められる中で、複数拠点の機器を網羅的に把握できる体制は、企業の事業継続計画(BCP)の観点からも極めて重要な意味を持つ。
IIJは2021年のサービス提供開始以来、顧客からの多様な要望に応える形で対応機種の拡充を継続しており、今後も国内外のメーカーを問わず対象機器を順次拡大していく方針だ。多様化するビジネス環境において、ネットワーク管理者がより付加価値の高い業務に専念できるよう、運用の自動化と負荷軽減を支援するプラットフォームとしての機能を強化していくものとみられる。今回のヤマハ製機器のサポート開始は、特定のハードウェアに縛られない柔軟なネットワークインフラ管理の実現に向けた大きな一歩であり、国内の多くの企業にとって運用改善の強力な選択肢となるに違いない。
企業ネットワークの複雑化が進む中で、複数メーカーの機器を一つの画面で統合管理できる本サービスは、管理者の運用負荷を劇的に軽減し、迅速なトラブル対応を実現する。
参考URL:https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2026/0114-2.html
https://denpanews.jp/
