【業界トピックス】楽天Q2決算、モバイル事業が牽引も中間期では赤字

楽天Q2決算、モバイル事業が牽引も中間期では赤字

 楽天グループは2025年12月期第2四半期(中間期)連結決算(2025年1月1日~2025年6月30日)を発表した。売上収益は1兆1,590億7,300万円、営業利益は66億1,000万円の損失で増収減益となった。親会社の所有者に帰属する中間利益は1,244億3,500万円の損失となり、損失幅は拡大した。

決算概要
第2四半期単独の決算では顕著な改善が見られた。連結売上収益は過去最高の5,964億円(前年同期比+11.0%)を計上し、インターネットサービス、フィンテック、モバイルの全セグメントが増収となった。
収益性においては、連結Non-GAAP営業利益が201億円(前年同期比+319億円)を計上し、IFRS営業利益も88億円(前年同期比+272億円)を記録し、大幅な改善を見せた。
また、事業活動におけるキャッシュ・フロー創出力を示す連結EBITDAは、第2四半期として過去最高の1,032億円(前年同期比+54.5%)を記録した。
特に楽天モバイル事業は、単体でEBITDAが56億円の黒字を達成し、2025年7月31日時点での全契約回線数も908万回線に到達するなど、グループ全体の収益改善に大きく貢献していた。2025年に満期を迎える有利子負債の資金は全て確保済みであり、国内キャピタルマーケットへの再アクセスも果たし、資金調達基盤を拡充しているとのこと。

セグメント別の概要
モバイルでは、売上収益は1,121億円(前年同期比+18.1%増)で増収を達成。「楽天モバイル」単体では、売上収益が906億円(前年同期比+33.5%)と大幅に伸長し、Non-GAAP営業損失も前年同期比139億円改善の389億円となった。契約回線数の堅調な増加と、正味ARPUが前年同期比114円上昇し2,474円となったことがEBITDA黒字化へ寄与した。

インターネットサービスでは、売上収益3,245億円(前年同期比+6.8%)と堅調に推移。国内EC流通総額は「楽天市場」「楽天トラベル」などの成長に加え、物流事業の料金改定も寄与し、1兆4,877億円(前年同期比+4.7%)に拡大している。海外では「Rakuten Viber」「Rakuten Viki」の売上が増収増益に貢献したという。

フィンテックも、売上収益2,327億円(+14.8%増)、Non-GAAP営業利益434億円(前年同期比+12.2%増)と増収増益を達成。楽天カードのショッピング取扱高が同+10.2%拡大したほか、楽天ペイは3年連続でQRコード決済業種の顧客満足度1位を獲得し営業黒字が拡大。楽天証券の証券総合口座数は1,256万口座を突破し、四半期として過去最高の収益を達成した。楽天銀行も、口座数1,707万口座、預金残高11.7兆円に伸長し、四半期として過去最高の経常収益・利益を更新した。

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