【業界トピックス】au Starlink Direct、世界初の衛星データ通信を開始

au Starlink Direct、世界初の衛星データ通信を開始

2025年9月1日、KDDI株式会社と沖縄セルラー電話株式会社は、衛星とスマートフォンが直接通信する新サービス「au Starlink Direct」において、世界初となる衛星データ通信を本格的に開始した。これまでメッセージの送受信に限られていたが、今回から一部アプリでのデータ通信が可能となり、実用性が大きく向上した。

「au Starlink Direct」は、米SpaceXが展開する衛星ネットワーク「Starlink」を活用し、スマートフォンが衛星と直接通信できる技術だ。空が見える場所であれば、通常の基地局が届かない山間部や離島でも通信が可能となる。日本では人口カバー率が99.9%を超える一方、面積カバー率は約60%にとどまっていた。この新サービスにより、通信困難だった残りの約40%でも安定した通信が実現する。

対応機種は、Google Pixel 10シリーズとGalaxy Z Fold7 / Flip7からスタートし、今後順次拡大する予定。さらに、初期対応として、Googleマップ、X(旧Twitter)、ウェザーニュース、特務機関NERV防災、YAMAPなど、圏外での利用に有用な19のアプリが選ばれた。これにより、登山中の現在地確認や、災害時の情報収集・共有が可能となる。

また、アプリ開発者向けのサポートサイトも今後開設予定で、さらなる対応アプリの拡大を目指す。これは、個人利用だけでなく、法人や自治体による防災・観光・物流分野での活用も視野に入れていると見られる。

さらに、KDDIは同日より、UQ mobileやpovo、他社回線ユーザー向けに専用プラン(月額1,650円)を提供開始。加入から3カ月間は無料とすることで、幅広いユーザー層への利用促進を図っている。

衛星通信の活用は、災害時の通信手段確保、山岳・海上地域でのアウトドア活動支援、過疎地のデジタルインフラ整備など、多方面での応用が期待される。9月1日は「防災の日」。KDDIのこの新たな挑戦は、まさに防災について考えさせられるタイミングと言えるだろう。

au Starlink Directページ
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