KDDIら4社、国内初の自動運転トラック異常対応実証に成功
KDDIは2025年7月、T2、三井住友海上火災保険、日本郵便と共同で、新東名高速道路(新静岡IC~新富士IC間)を走行する自動運転トラックを遠隔監視し、異常検知から現場駆け付け、車両退避までを行う国内初の実証に成功した。今回の成果は、物流業界が直面する人手不足や「物流2024年問題」の解決に向けた重要な一歩といえる。4社はこの結果を踏まえ、2027年度の自動運転トラック・レベル4の社会実装を目指す方針だ。実証では、異常発生時における各社の責任範囲を明確化し、迅速な対応を可能にする連携体制を構築した。KDDIはクラウド型遠隔監視システムを提供し、オペレーターがリアルタイムで車両の位置、周囲映像、異常アラートを確認。異常を検知すると三井住友海上のオペレーターに情報を共有し、同社が緊急通報やレッカー手配を実施した。日本郵便は高速道路外の一時退避場所を提供し、車両を安全に誘導した。

今回の実証では、新静岡ICを出発したT2の自動運転トラック(レベル2相当)に異常が発生した状況を想定しており、遠隔監視システムを通じてオペレーター間で同一情報を共有し、状況確認や現場対応をシームレスに連携できることが確認された。これにより、高速道路上での車両停止による交通渋滞や二次的事故を防ぎ、輸送の継続性も確保できることが示された。KDDIが開発した遠隔監視システムは、警察庁や道路交通法の要件に対応し、複数のモバイルネットワークを解析して最も信頼性の高い回線を選択する機能を搭載しているとのこと。今後はKDDI社の「WAKONX Mobility」に本実証で得た技術を組み込み、モビリティ運用の効率化と安全性向上を加速させる方針だ。
今回の成功事例は、自動運転トラックの社会実装に向けた大きな前進だと言える。今後、さらなる技術検証と運用体制の強化を重ねることで、安全性と効率性を両立した次世代物流網の構築が期待される。
参照URL:https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-688_4061.html
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