【業界トピックス】NECが調達DXの実態調査を公開、成功と失敗を分ける要因が判明

NECが調達DXの実態調査を公開、成功と失敗を分ける要因が判明

日本電気株式会社は2026年3月24日に、売上高100億円以上の企業で調達業務やDX推進に携わる担当者208名を対象とした「調達DXの成功と失敗の分岐点に関する実態調査」のレポートを公開した。近年、グローバルなサプライチェーンの複雑化や地政学リスクの高まり、さらに持続的なコスト削減圧力の増大を背景に、製造業を中心とした多くの企業で調達部門のデジタル変革(DX)が急務となっている。しかし、多くの企業がITツールの導入を進める一方で、期待したほどの成果が得られなかったり、現場への定着が進まず形骸化したりするケースも散見される。この調査は、実際に調達DXに取り組んだ経験を持つ208名の生の声を収集することで、プロジェクトが成功する組織と停滞する組織の決定的な違いを浮き彫りにすることを目的として実施された。調査期間は2026年2月17日から同年2月18日までの2日間で、インターネット調査を通じて有効回答を得ている。

 この調査の結果によると、調達DXにおいて「効果が出なかった」と回答した層には共通の要因が見て取れる。多くの企業が直面する失敗の要因として、ツールの導入そのものが目的化してしまい、既存の業務プロセスの抜本的な見直しや最適化が後回しになっている点が挙げられる。具体的には、現状の非効率なアナログ作業をそのままデジタルに置き換えようとした結果、システムの操作負担が増大し、現場の生産性が逆に低下するといった事態が発生している。また、データの標準化が不十分なままシステムを稼働させたことで、サプライヤーごとの情報管理がバラバラになり、分析に耐えうる正確なデータを蓄積できていない現状も浮き彫りになった。これらの課題は、単なるITスキルの不足だけでなく、部門間の連携不足や経営層のコミットメントの弱さといった組織的な構造問題に起因していることが示唆されている。

 一方で、調達DXを成功に導いている企業においては、「最初にやるべきだったこと」として明確な共通認識が存在している。成功している組織の多くは、システムの選定に入る前の段階で、調達戦略に基づいたKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を厳密に設定している。さらに、現場の担当者が抱える具体的な課題を詳細に洗い出し、どの業務を自動化・効率化すべきかの優先順位を明確にしている。特に重要視されているのが、サプライヤーとのコミュニケーションを含めたデータの透明性の確保だ。成功企業は、単に自社内の効率化を追及するだけでなく、取引先を含めたエコシステム全体でのデジタル化を意識しており、早期にデータ連携の基盤を構築している傾向が強い。このように、業務の全体最適を俯瞰した上でのロードマップ策定が、成功と失敗を分ける大きな分岐点となっている。

 今後、調達部門が企業の競争力を左右する戦略的拠点へと進化するためには、この調査で判明した「失敗の教訓」を糧に、段階的かつ本質的な改善に取り組む必要がある。

参考URL:https://jpn.nec.com/press/index.html

https://denpanews.jp/

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