PayPay、海外でのサービス展開を開始
日本のキャッシュレス決済サービス大手であるPayPayが、海外でのサービス展開を開始する。2025年9月下旬以降に「海外支払いモード」を導入する予定だ。これにより、PayPayユーザーは、これまで国内でしか利用できなかった主要な機能を、海外でも利用できるようになる。具体的には、「Alipay+(アリペイプラス)」の加盟店で決済できるほか、個人間送金や残高チャージなども可能となる。特に注目すべきは、支払った金額が日本円で即座に表示される機能で、これによりユーザーは為替レートを意識することなく、安心して買い物ができるようになるだろう。

この新機能は、まず韓国で利用が始まる。韓国は日本人出国者数が最も多い国であり、観光客にとって利便性の向上が期待される。韓国のコンビニやデパート、人気のコスメショップ、観光地の飲食店や屋台など、幅広い場所で「Alipay+」および「zero pay」のマークがある店舗で決済が可能になる。これにより、現金の両替やクレジットカードの利用にまつわる手間を省き、よりスムーズな旅を楽しむことができる。なお、安全にサービスを利用するために、本人確認(eKYC)が完了しているユーザーのみが利用可能であり、また、日本国内で利用している端末での継続利用のみが許可されている。海外からの新規端末でのログインはできない仕組みになっている。

PayPayはこれまで、海外からのインバウンド需要に対応するため、「Alipay+」や「HIVEX®」といったネットワークと連携し、訪日外国人向けに自国で使い慣れたキャッシュレス決済サービスで日本の店舗で決済できる環境を整備してきた。その結果、訪日外国人の約8割が、PayPay加盟店で自国の決済サービスを使って支払うことが可能になった。この利便性の向上により、2024年度のインバウンド消費額は、コロナ禍前の2019年度と比較して約3倍にまで増加した。今後は、日本人が海外へ行く際にもPayPayが使えるようになることで、このキャッシュレス連携が双方向へと拡大していく。国内外の利用者にとって、より便利で身近なキャッシュレス決済の普及が期待される。
参考URL:https://about.paypay.ne.jp/pr/20250916/01/
https://denpanews.jp/