- ■ 走行中の音声通話接続率は、3社平均で99.8%。実使用で全く問題なし。
- ■ NTTドコモは、走行中の下り速度がふるわなかったが、音声通話接続率100%。
- ■ auは、走行中の下り速度 25.07Mbps、音声通話接続率 99.8%と全体的に安定。
- ■ ソフトバンクは、音声通話接続率が99.6%だが、下り速度27.34Mbpsはトップ。
株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は11月12日、圏央道 つながりやすさ・通信速度実測調査の結果をまとめた。当社では定期的に、さまざまなシーンでスマートフォンの通信速度、つながりやすさの調査を実施してきたが、今回の調査では、埼玉県部分が全線開通したことで、東名高速と中央道、関越道、東北道が結ばれた圏央道 (首都圏中央連絡自動車道)にて、つながりやすさと通信速度の実態を把握することを目的とした。
NTTドコモ、au (KDDI)、ソフトバンクのiPhone6sを測定端末として、境古河IC(茨城県)から寒川南IC(神奈川県)まで、走行中の音声通話接続率と、走行中のデータ通信速度を測定した。音声通話接続率は、時報(117)につなぎっぱなしにして、接続成功した時間を測定した。データ通信速度については、圏央道の主なIC、PA、JCT (17地点)を通過する際(走行中)に速度測定アプリ「RBB TODAY スピードテスト」にて下り通信速度、上り通信速度を各2回ずつ測定した。調査日は、2015年11月11日。
■ 走行中の音声通話接続率は、3社平均で99.8%。実使用で全く問題なし。
NTTドコモは、音声通話接続率が100%。 87分間の走行中、一度も通話が途切れず、非常に安定した結果となった。ただし、茨城区間や埼玉東部区間では、通話時の通信方式が3Gとなるケースが見られた。
走行中のデータ通信速度では、17地点の平均で下り速度(ダウンロード) 12.13Mbps、上り速度(アップロード速度) 11.14Mbpsを記録。下り速度は地点によって速度差が見られたものの、上り速度についてはどの地点でも高い水準であり、3社中トップとなった。
■ auは、走行中の下り速度 25.07Mbps、音声通話接続率 99.8%と全体的に安定。
auは、音声通話接続率が99.8%、走行中の下り速度が25.07Mbpsと、全体的に安定した結果となり、音声通話接続した区間全てで、VoLTEを利用できていることが確認できた。上り速度は6.42Mbpsと苦戦したものの、音声通話、下り速度ともにトップに肉薄する結果である。特に、青梅IC、五霞IC、境古賀ICなどでは走行中にもかかわらず40Mbps以上の通信速度を見せた。
■ ソフトバンクは、音声通話接続率が99.6%だが、下り速度27.34Mbpsはトップ。
ソフトバンクは、音声通話接続率は99.6%、走行中の下り速度が27.34Mbpsとなった。音声通話接続率は僅かに100%に届かなかったものの、走行中の下り速度では3社中トップ。下り速度が1ケタの地点が17地点中1地点のみであり、ほとんどの測定地点で20~40Mbpsと、良好な結果を残した。
今回調査対象とした圏央道は、東京への通勤圏の目安ともされている環状線の国道16号線よりさらに外側の環状線であり、人口密集地ではない場所も多い。さらに今回の調査では、音声通話、データ通信速度ともに高速走行中の測定であり、携帯電話キャリアにとっては有利な測定条件とは言い難い。それにもかかわらず、音声通話接続率がほぼ100%、下り通信速度が3社平均21.5Mbpsと実使用で十分な測定結果を記録したことは注目に値する。
今回調査した境古賀ICから寒川南ICまでの開通区間は、圏央道として計画されている区間の一部だが、全線開通予定の2020年度に向けて、圏央道は今以上に首都圏の重要なライフライン的な環状線になるものと期待される。
ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。
* 本資料における全ての文章、数値、表、データは、調査実施時点のものである。
* 測定端末は、3社のiPhone6s。 MVNO事業者は調査対象としていない。
* 音声通話については、VoLTEを利用できる状態にして測定した。
* 測定は乗用車の後部座席で実施し、走行中は法定速度を順守した。
* 走行中にデータ通信速度を測定した地点は、次の17地点である。
寒川南IC、海老名JCT、圏央厚木IC/JCT、相模原IC、高尾山IC、八王子JCT、あきる野IC、青梅IC、入間IC、
狭山PA、鶴ヶ島JCT、桶川北本IC、菖蒲PA、久喜白岡JCT、幸手IC、五霞IC、境古河IC。
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