ドコモ、タイ「Amaze」にマーケティング基盤輸出。日本企業の越境EC参入窓口にも
NTTドコモ・グローバルは2026年4月24日、タイのCharoen Pokphand(CP)グループ傘下のAscend Commerce Co., Ltd.との業務提携を発表した。両社は2025年12月に資本提携に合意しており、2026年3月25日に株主引受を完了。同日付で業務提携契約を締結している。第一弾の協業として、Amaze会員を対象にした購買データ連携型のマーケティングリサーチサービス「Amaze Survey」の提供を開始する。

dポイントで培ったデータ活用基盤をタイへ
NTTドコモ・グローバルが今回の協業に持ち込むのは、国内で約1億会員を擁するdポイントクラブの運営を通じて蓄積したデータ活用・マーケティングソリューションのノウハウだ。具体的には、ドコモとインテージグループが日本国内で共同開発し、実績を重ねてきたリサーチサービスをベースに、Ascend CommerceとインテージグループがAmaze向けに共同開発したものがAmaze Surveyとなる。
Amaze Surveyの特徴は、従来型の市場調査との差別化にある。一般消費者をランダムに抽出する従来の手法とは異なり、Amaze会員に絞ってアンケートを実施できる。Amaze会員はCPグループが運営するセブンイレブン(約1万5000店舗)、スーパーマーケットのLotus(約2500店舗)、通信キャリアのTrue(約5200万契約)など実店舗・サービスでの購買実績データと紐付いており、実際の購買行動に基づいた精度の高い市場調査が可能になる。アンケート回答者にはAmaze Pointsが付与されるため、回答率の確保も期待される。
Amaze Surveyのターゲットは、Amaze Mallを通じてタイ市場へ参入する日本企業にとどまらず、タイ国内で事業を展開する現地企業や外資系企業も含む。
Amaze MallとAmazing Japan、日本企業の越境EC窓口として整備へ
Amaze Surveyと並行して、両社はAmazeプラットフォーム全体の拡張も進める。Ascend Commerceが2025年4月に開始したAmazeは、ECプラットフォーム「Amaze Mall」とポイントプログラム「Amaze Points」を統合した消費者向けプラットフォームで、開始から1年で会員数は約400万人に達している。
今後の予定として、Amaze Mall内に日本ブランド専用の特設ページ「Amazing Japan」を2026年5月以降に開設する計画だ。MITSUKOSHI DEPACHIKA、aiwa、Bigen、アイリスオーヤマ、LION、シャープなど複数のブランドが参画を検討している。
背景には、タイのデジタル市場の急拡大があると見られる。Google・Temasek・Bain & Companyの調査「e-Conomy SEA 2025」によれば、タイのデジタル経済のGMV(総取引額)は2025年に前年比16%増の560億ドルに達すると予測されており、Eコマース部門の成長率は22%に上る*1。
NTTドコモ執行役員の石橋英城氏は、今回のタイでの取り組みを「国内アセットを海外へ展開していく上でのモデルケースとなるものであり、当社にとって非常に重要な位置づけ」と表現しており、タイでの実績をもとにグローバル展開の加速を目指す。
*1 Google, Temasek and Bain & Company「e-Conomy SEA 2025」
出典:2026/04/24リリース
