ドローン運航管理の認定制度、KDDIとNTT Dataが国内初認定
国土交通省航空局は9月16日、ドローンの運航管理サービスを担う事業者にIDを付与する認定UTMサービスプロバイダ(認定USP)制度において、KDDIスマートドローンと株式会社NTTデータの2社に同日付でIDを付与した。認定USPは国のドローン情報基盤システム(DIPS2.0)*1と連携し、複数の運航者間での飛行計画の調整支援などを担う。両社はそれぞれ独自のUTM基盤を軸に、インフラ点検や物流など幅広い分野でのドローン活用を後押しする方針だ。
USPとは、無人航空機の運航管理サービスを提供する事業者を指す。複数のドローンや、ドクターヘリなどの有人機が同一空域を利用する機会が増える中、接近や衝突のリスクを減らす仕組みとしてUTMの活用が注目され、国土交通省航空局は2026年3月、事業体制やシステムセキュリティーなどの要件を満たした事業者にIDを付与する認定USP制度を創設した。KDDIスマートドローンとNTTデータはいずれも、同日付で同時にIDの交付を受けた。
飛行計画調整から空域情報提供まで、両社が担う3つの機能
KDDIとKDDIスマートドローンは、認定USPとして(1)飛行計画の重複確認・調整支援、(2)空港周辺空域や飛行禁止区域などの空域制限情報の可視化、(3)運航記録の蓄積・報告対応の3つを主な機能として提供する。サービス提供の開始は2026年12月からを予定している。
同社は2022年からNEDOの「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」に参画し、認定要件に関する研究開発や技術検証を重ねてきたほか、日本航空(JAL)との資本業務提携で培った安全・品質管理の知見も運用体制の構築に生かしたという。

KDDI,KDDIスマートドローン:空域制限情報可視化イメージ
同じ枠組みの下で認定を受けたNTTデータは、2017年から提供してきたドローン運航管理ソリューション「airpaletteUTM」を基盤に、(1)飛行計画の通報・調整支援、(2)空域情報のリアルタイム提供、(3)飛行データの蓄積・分析といったサービスを提供する。
同社は40年以上にわたる有人航空機の航空管制システムの開発・保守実績に加え、国のドローン情報基盤システム(DIPS)自体の開発・運用保守も受託してきた。NEDOのReAMoプロジェクトや、内閣府のK Program*2といった運航管理技術の実証プロジェクトにも参画し、制度設計への提言や技術検証を重ねてきた経緯がある。

NTT Data:airpaletteUTM画面
国内のドローンビジネス市場は拡大が続いている。インプレス総合研究所の調査では、2025年度の市場規模は前年度比13.8%増の4973億円、2030年度には9544億円規模に成長する見通しだ。*3市場拡大に伴い同一空域を複数の機体が飛行する場面も増えており、運航管理の重要性は今後さらに高まるとみられる。
両社は今後、認定USPとしてのサービス提供を足がかりに、物流やインフラ点検、防災など幅広い分野への展開を進める方針だ。異なる技術基盤を持つ2社が同時に第一号となったことで、他のUTM提供事業者による認定取得の動きや、USP間での運航調整の実運用がどう広がるかが今後の焦点となるだろう。
参照:
・国土交通省 UTMサービスプロバイダページ
・KDDI 2026/09/16リリース
・NTT Data 2026/09/16リリース
*1 DIPS2.0:国土交通省が運用するドローン情報基盤システム。機体登録や飛行許可・承認申請、飛行計画の通報などをオンラインで行える。
*2 K Program:内閣府が推進する経済安全保障重要技術育成プログラム。災害時等に有人機と無人機が安全に連携して活動するための運航管理技術や情報共有基盤の開発を目指すもの。
*3 インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2026」
