ドコモ×AGC、既存建物の窓からの5G受信電力を改善する実証に成功
NTTドコモとAGCは2026年4月15日、省エネ性能の高いLow-Eガラスが設置された既存建物において、窓を基地局化して屋外の通信環境を改善する実証実験に成功したと発表した。AGCが開発した「電波透過処理技術」と、両社が共同開発したガラスアンテナ「WAVEATTOCH(以下、ガラスアンテナ)」を組み合わせることで、通信品質の向上を確認したという。
近年、建物の省エネルギー化を目的として、表面に金属膜をコーティングしたLow-Eガラスの採用が拡大しており、この金属膜は熱線の反射に寄与する一方で、5Gなどの高周波電波を透過しにくい特性を持っているため、窓の内側にガラスアンテナを設置しても本来の性能を発揮できないことが課題となっていたという。
ドコモとAGCは2019年より、窓の室内側に貼り付けて屋外をエリア化する「窓の基地局化」に取り組んできたが、今回の実証ではLow-Eガラス特有の電波遮蔽問題の解決を図った。
受信電力が約10倍向上、エリア拡大を確認
今回の実証実験では、既設建物のLow-Eガラスに対して、現場で電波透過処理を施した。AGCの電波透過処理技術は、ガラスの断熱性能や強度、耐久性を維持したまま、特定の電波を透過させる特性を付与する表面処理技術だ。
実験は、京都府内にある実際の建物を用いて実施され、電波透過処理を行っていない従来のLow-Eガラスにガラスアンテナを設置した構成と、電波透過処理を施したLow-Eガラスに同アンテナを設置した新構成を比較検証している。

実験の結果、「電波透過処理を施した新構成」では、未処理の構成と比較して屋外での5G受信信号強度が累積分布の中央値で約10dB向上したという。これは電力比で約10倍の向上に相当する。この結果により、Low-Eガラス越しであっても屋外の5G通信可能エリアが大きく拡大することが確認された。
また、ラボ試験を通じて、処理後のガラスが持つ省エネ性能や耐久性に影響がないことも併せて実証されている。
ドコモとAGCは、今回の実験で得られた知見を基に、今後もガラスアンテナの活用に向けた検討を継続するとしている。
AGCは、今回のような屋内から屋外(I2O)への通信改善だけでなく、屋外から屋内(O2I)方向の電波改善についても実証を進めており、これらの技術を統合したサービス化に向けた検討を加速させる方針だ。
詳細はリリースを参照:
https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_260415_e1.pdf
