楽天グループが発表した2026年度第2四半期(4〜6月期)決算は、売上収益が四半期として過去最高の6,655億円を記録した。モバイル事業の契約数拡大に伴う損失改善と、フィンテック事業における大幅な増収増益が寄与し、親会社所有者帰属四半期利益は77億円の黒字と、6年ぶりの四半期最終黒字を達成した。
連結売上収益はYoY+11.6%の6,655億円、連結Non-GAAP営業利益は同+109.6%の420億円となった。セグメント別に見ると、インターネットサービスが利益成長を継続し、フィンテックが金利環境の変化を追い風にグループ全体の利益を大幅に押し上げた。モバイルセグメントも営業損失が331億円と前年同期から41億円改善した。

モバイル事業の全契約回線数は2026年6月末時点で1,075万回線に達し、YoY+178万回線の純増を記録した。MNO単体のARPU(1ユーザーあたりの平均売上)は2,921円とYoY+60円の上昇。特に20GB超の利用ユーザー比率が前年比+3.6ポイント拡大しており、データ利用量の増加が収益向上に直結している。ホッピング対策の奏功でMNO解約率は改善しているほか、設備投資は当四半期に393億円を計上し、通期計画2,000億円を堅持する方針だ。このほか、総務省の低軌道衛星インフラ整備事業(J-LEO)の間接補助事業者に採択されており、有事にも安定的な通信インフラを維持するレジリエンス強化にも取り組むとした。 KDDIとのローミング契約について三木谷浩史会長兼社長は、楽天モバイルがカバーを要するエリアは10月以降も契約に則り継続する一方、自社網でカバーできているエリアは順次縮小していくとの認識を示した。

フィンテックセグメントは売上収益2,954億円(YoY+27.0%)と好調に推移した。楽天証券は新NISAの普及を背景に総合口座数が1,439万口座に拡大し、同社単体の営業利益209億円(同+136.5%)と過去最高を更新。楽天銀行もメイン口座化が進展し、単体預金残高は13.3兆円(YoY+13.9%)まで積み上がった。 グループは2026年10月、楽天銀行、楽天カード、楽天証券HDを一つのグループに集約する事業再編を予定しており、中長期で850億円以上の定量化シナジーを見込む。三木谷氏はフィンテック再編について、金利がある世界の中で、いかに口座を獲得し残高を増やしていくかが大きな利益成長のドライバーになると述べ、預金残高の拡大と運用ポートフォリオの多様化を重点施策に挙げた。
戦略面では、楽天市場での「AI店長」開発など、Rakuten AIをエコシステム全体に統合し、パーソナライズされた購買体験の提供を加速させる。課題となっていた物流事業の倉庫スペース貸出に伴う減損損失(約170億円)は当四半期で処理を完了しており、今後は自社利用へと転換するとした。 携帯キャリア間の競争が激化する中、楽天モバイルは質の高い顧客基盤構築による持続的成長を目指している。
参照:楽天 2026年度第2四半期決算
