閉域網でAIエージェント運用、NTTドコモビジネスが新サービス提供
NTTドコモビジネス株式会社は8月17日、株式会社エクサウィザーズと共同で、企業の重要データを専用環境で安全に活用できる「クローズドAIエージェント」の提供を開始したと発表した。エクサウィザーズのAIエージェント開発・運用プラットフォーム「exaBase Studio」と、NTTドコモビジネスが推進する「AI-Centric ICTプラットフォーム」構想に基づく閉域ネットワークやGPU基盤を組み合わせ、外部にデータを持ち出さずにAIエージェントを業務へ組み込める環境を実現した。
クローズドAIエージェントでガバナンス・セキュリティ懸念に対応
両社によると、AIエージェントが企業の業務データや契約情報、顧客情報といった重要データと連携することで、実務上の価値を発揮する場面が広がっている。一方で、こうした重要データを扱う企業では、ガバナンスやセキュリティ上の要件から外部クラウドサービスの利用に慎重な姿勢を取るケースも少なくない。プライベートクラウドやオンプレミス環境でのAI活用も選択肢となるが、AI基盤の構築・運用やセキュリティ対策を自社で担う負担が課題となっており、両社は本環境の開発に至ったという。
提供される環境には主に4つの特長が盛り込まれた。まず、顧客専用に構築された環境を閉域ネットワーク経由で利用でき、設計図面や技術文書などの機微データを扱うAIエージェントを、専有GPUとKubernetesアーキテクチャ*1の採用によって安定した処理性能とセキュリティを両立させながら安全に運用できるとする。次に、AIエージェントテンプレートと、NTTドコモビジネスが提供する業界・業務特化型AIエージェントを組み合わせることで、業務プロセスへの組み込みに耐える品質のAIエージェントを効率的に開発できるとしている。

さらに、NTT株式会社が開発した国産LLM「tsuzumi 2」やオープンソースLLMを顧客専用環境で実行できる点も特長のひとつだ。業務データやプロンプトが外部のAIサービスへ送信されることはなく、オンプレミス版ではハードウェアからLLM、AIエージェントまでを国内かつ自社環境内で完結して運用できるため、データやAI基盤の主権を確保したソブリンAI対応環境として提供されるという。
インフラの構築から運用、保守、セキュリティ管理まではNTTドコモビジネスが担い、顧客企業は自社でクラウドやAI基盤の運用体制を構築することなく、AIエージェントの導入・活用に専念できるとしている。
提供開始日は8月17日で、NTTドコモビジネスがプライベートクラウド版とオンプレミス版の両方で提供する。
両社は今後、業界・業務特化型AIエージェントのラインアップ拡充に加え、プロンプトインジェクション対策などAIエージェント特有の脅威への対応や、企業のAI活用を統制するガバナンス機能の強化も進める方針を示した。
また、TTドコモビジネスは、AIエージェントの信頼性向上を目的とした「AIエージェント属性情報レジストリ(仮称)」や、秘密計算技術を活用した分析サービス「析秘MPC」とも連携しながら、企業が安心してAIを活用できる環境づくりを進めていくとしている。
*1 Kubernetesアーキテクチャ:コンテナ化されたアプリケーションの配置・運用・スケーリングを自動化するオープンソースのコンテナオーケストレーション技術
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