【業界トピックス】JR東・ソフトバンクら4社、センサーとAIで駅清掃の省力化を検証

JR東・ソフトバンクら4社、センサーとAIで駅清掃の省力化を検証

 JR東日本、JR東日本商事、ソフトバンク、JR東日本環境アクセスは10月16日、IoTセンサーやAI画像分析、フィジカルAI清掃ロボットを使い、駅の利用状況や汚れの発生状況に応じた駅舎清掃の実現可能性を検証する実証実験を、10月27日から赤羽駅など4駅で実施すると発表した。

 実証は2026年10月27日~2027年1月中旬まで、赤羽駅、王子駅、十条駅、東十条駅の4駅で、赤羽駅以外では、IoTセンサーによるトイレ利用状況およびごみ箱使用状況の把握のみ実施される。実施時間は始発から終電までで、清掃ロボットの試験運転は終電後となる。JR東日本環境アクセスが担う駅舎清掃業務を対象に、清掃情報を一元管理する運用モデルを構築できるかを確かめるという。JR東日本が設立した「WaaS共創コンソーシアム」の取り組みの一つとされる。

 背景には清掃現場の人手不足があるとみられる。厚生労働省が2025年5月14日の新しい資本主義実現会議に提出した「省力化投資促進プラン(案)ビルメンテナンス業」によると*1、ビルメンテナンス業の従事者のうち、ビルクリーニング業の従事者が80%を占める。有効求人倍率は約2.0〜3.0で推移し、人手不足が続いているという。ビルクリーニング業の従事者はパート・アルバイトが4分の3、60代以上が57.9%を占める。同プランは広く平らな区画の清掃には清掃ロボットの導入を挙げる一方、トイレなど難易度の高い箇所では実用可能な技術が少ないとしている。

IoTセンサーで利用状況を把握、AI画像分析や清掃ロボットも活用

 こうした状況に対し、本実証では改札内のトイレとごみ箱にIoTセンサーを設置し、利用状況や設備の状態を把握する。利用頻度や時間帯と清掃需要の関係を分析し、必要な場所を必要なタイミングで清掃する「需要連動型・予兆型清掃」の実現可能性を検証するという。
二次元コードによるトイレ清掃依頼の受け付け、改札内コンコースに仮設するカメラ画像のAI分析による汚物検知、トイレ内での清掃ロボット試験も行う。二次元コードとAI分析は清掃判断の参考情報で、清掃員の即時対応を保証するものではないとしている。王子駅、十条駅、東十条駅ではIoTセンサーによる把握のみを実施する。

 体制としては、JR東日本が実証フィールドの提供と駅との調整、JR東日本商事が幹事として計画策定や機器調達、全体運営を担う。ソフトバンクは機器の調整と連携、各種データを統合・可視化する清掃管理プラットフォームの構築を受け持つ。JR東日本環境アクセスは清掃オペレーションの調整とDXに関する助言を行う。

 JR東日本は9月8日から、新宿駅地下1階の改札内コンコースで「移動式ごみ箱ロボット」の実証も行っている。11月20日までの平日を予定し、米Cartken社の自動配送ロボットを使って、混雑時の走行課題や利用者の移動への影響を検証している。

 今回の実証についてJR東日本らは、得られたデータと知見をもとに駅舎清掃DXの有効性を評価し、将来的な他駅への展開や持続可能な清掃オペレーションの構築につなげるとしている。

参照:JR東日本ほか 2026/10/16リリース「AI・IoT・清掃ロボットを活用した駅舎清掃DXの実証実験を実施します」
*1 内閣官房 令和7年5月14日「新しい資本主義実現会議(第34回)」資料16「ビルメンテナンス業」


https://denpanews.jp/

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